種別 論文
主題 RCスラブの局部せん断破壊に関する基礎実験
副題
筆頭著者 高橋義裕(北海学園大学工学部)
連名者1 角田与史雄(北海道大学工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
9
2
先頭ページ 597
末尾ページ 602
年度 1987
要旨 1.まえがき
鉄筋コンクリート(RC)スラブ、フラットスラブ、フーチングなどの面部材のせん断設計では、はりや柱などの棒部材におけると同様に部材幅全長にわたって破壊が生ずるはり型せん断破壊を想定した安全性の検討と、荷重の周囲の局部的な破壊を想定した押抜きせん断破壊に対する安全性の検討とが行われている。これらのせん断破壊形態は理想化したものであるが、実際にはさらに複雑な破壊形態が存在しうる。例えば、石橋らは[1]大口径杭に支持されるフーチングを対象に、部材の全幅が一様に抵抗できない不完全なはり型せん断破壊が存在することを指摘し、その場合いの設計法として、有効幅を用いるせん断設計法を提案している。一方、著者らは[2]自由縁を有するRCスラブにおいて、荷重が自由縁に作用するときの不完全な押抜きせん断破壊について実験を行い、この場合の耐力は、従来一般に用いられている慣用の臨界断面長の減少以上に耐力低下が起こることを指摘している。また、フーチングの内部に定着力を受けるときの引抜きせんだん破壊では、多くの因子が影響を持つ非常に複雑な性質を示すことが知られている[3]。このような各種の問題については、現在のところケーススタディに依存せざるをえないが、もしも共通的な法則性を見出しておくことができれば便利である。本論文は、このような目的で行ったRCスラブの局部せん断破壊に関する基礎的な実験結果について述べるものである。

4.まとめ
本研究は、RCスラブの引抜きせん断などにおける局部せん断破壊における基本性状を明らかにするため、埋込み載荷実験を行った結果について、はり型せん断耐力を基準とし考察を行ったものである。得られた主な結果を列挙すれば、次の通りである。
1)上面載荷の場合と同様に埋込み載荷の場合にも、部材幅がある限界値以下ではせん断耐力が部材幅に比例し、全幅有効として取り扱うことができる。そのときの破壊時の平均せん断応力度はhe/hの減少とともに増加する。
2)部材幅が上記の限界値を越えるときには、有効幅を考えて耐力評価を行うことができるが、有効幅は部材幅の増加に対して直ちに一定値とはならず、過渡的領域が存在するようである。
3)埋込み載荷の場合の有効幅Beは、上面載荷に比べて小さくなっている。
4)埋込み載荷の場合にも載荷位置が自由縁に近付けば、耐力低下が起きる。その影響は自由縁による有効幅の短絡によってある程度評価することができる。
PDFファイル名 009-01-2103.pdf


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