種別 | 論文 |
主題 | 複合時元応力と材料強度 |
副題 | |
筆頭著者 | 田沢栄一(大成建設) |
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キーワード | |
巻 | 1 |
号 | 0 |
先頭ページ | 1 |
末尾ページ | 4 |
年度 | 1979 |
要旨 | まえがき ポリマー含浸石膏の重合時収縮ひずみは実測によって容易に得られる。このひずみと含浸直前の乾燥した石膏について求めた弾性定数を用いると、ポリマー含浸石膏のポリマー相・石膏相、それぞれについて、ミクロに発生している複合時元応力を求めることができる。この元応力の影響を考慮すると、乾操した石膏基材強度(σGb)とポリマー引張強度(σb)を用いて、ポリマー含浸石膏の曲げ強度(σb)が単純な関係式で示せることが判明した。すなわち、 σb=σQb+Vp(σp-σsp) こゝに、Vp:ポリマーの比容積、σsp:ポリマー相の複合時元応力 水石膏比の低い基材にポリマーを含浸すると、上式のかっこ内がマイナスになることが起り、含浸後に曲げ強度の実測値は低下した。これは一見奇異に思えるが、ポリマーがその引張強度以上の応力を受けた状態にあることを意味する。ポリマー相と釣り合う石膏相が弾性限界内であるので、この応力は存在していなければならない。 つまり、「複合材料のある一相が他の相のひびわれ阻止効果によって、その巨視的強度以上の応力を受けた状態で存在する」という一種の物理的不安定状態が想定されるに到った。この状態は過冷却や過飽和などとの類似を考慮して、"過応力"状態と名付けられよう。 9.結論 (1)ポリマー含浸材の複合時元応力は重合時収縮と弾性定数から求めることができる。 (2)複合時元応力は材料強度に影響を与え、ポリマー含浸石膏の曲げ強度については式(13)があてはまる。 (3)複合材料の一相が他相のひびわれ阻止効果によって、単一相の強度以上の応力を受けた状態で存在する一種の物理的不安定状態の存在を想定することにより、ポリマー含浸後に曲げ強度が低下する現象を説明できる。この状態を過応力状態と名付ける。 (4)過応力は圧縮ひびわれに対しても、強度を低下させる要因となる。 (5)材料破壊は破局ひびわれが伝播する状態としてとらえることが、より現象論的である。 |
PDFファイル名 | 001-01-0001.pdf |