種別 | 論文 |
主題 | セメントアスファルト複合グラウトの耐久性について |
副題 | |
筆頭著者 | 原田豊(国鉄鉄道技術研究所) |
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キーワード | |
巻 | 1 |
号 | 0 |
先頭ページ | 53 |
末尾ページ | 56 |
年度 | 1979 |
要旨 | 1. はじめに 近年、メンテナンスフリースラブ軌道用てん充材として開発されたセメントアスファルト複合グラウト(以下、CAGと略稱)は、路盤コンクリートと軌道スラブとの間に介在し、軌道の高い敷設精度、列車衝撃の緩和のより乗心地を快適に保つ役割をにない、その優れた施工性、強度、弾性、耐候性、経済性等から比較的温暖な地域で大量に供用されてきた。ところが寒冷・積雪の厳しい地域へ適用するには、本複合材の宿命ともいえる施工性保持のため多量の水を必要とすること、アスファルトの温度依存性が現れること等から、耐凍害性と感温性が重要な問題として指摘された。 そこで筆者らは、各種の構成材料、主材比および混和材料に関する硬化体の微細組織から力学的特性、耐久性におよぶ室内・現場での広汎な実験的検討を行い、実用的な方策として消泡剤とAE剤並びに高速練りの組合せにより複合材への微小気泡を適量導入する手法が耐久性向上に著効のあることを見いだした。本文では、開発グラウトを主体とし、把握した諸特性のうち耐凍結融解性、耐ひびわれ性、感温性に焦点を合わせ、その概要を述べる。 4.まとめ 寒冷・積雪の地域において、軌道支持物下の緩衝材として併用するため、CAGの耐久性の向上について検討した結果を以下に要約する。 (1) 消泡剤とAE剤の併用および所定の練りまぜ方法により、CAM組織内の気泡の改質と適量が確保され、耐凍害性が画期的に改良される。 (2) 乾燥収縮、温度変形に比べて伸び能力、応力緩和性、静的弾性率等の前者を緩和する性能のほうが優れ、耐ひびわれ性に富む材質と評価される。 (3) アスファルトの特徴とする感温性は不可避的であるが、実用上支障がない範囲と看故される。これらの成果および種々の検討に基づき、新しい手法で開発された消泡AE型CAMは、耐凍害性その他特性が最も優れ、実用上十分な機能を有すると評価され、目下東北・上越両新幹線で本格的に供用されつつある。 |
PDFファイル名 | 001-01-0014.pdf |