種別 | 論文 |
主題 | 一軸拘束を受ける膨張コンクリートの強度 |
副題 | |
筆頭著者 | 岡村甫(東京大学) |
連名者1 | 辻幸和(足利工業大学) |
連名者2 | 後藤克己(日産建設) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 1 |
号 | 0 |
先頭ページ | 85 |
末尾ページ | 88 |
年度 | 1979 |
要旨 | 1.まえがき 膨張コンクリートは、その膨張が拘束されていない場合、膨張がある限度を越えて大きくなると、膨張による強度低下が起こるが、この場合にも膨張を拘束すると、強度低下は軽減される。したがって、膨張コンクリートの膨張力を積極的に利用して、部材の力学的特性を改善するためには、まず、一軸方向の拘束を受ける場合の強度を明らかにしておく必要がある。それは、単に、一方向を拘束しただけでは、拘束方向以外の方向への膨張は減少するとしても、その程度は大きくならないので、それらの方向への膨張による強度低下のおそれがあるからである。 これまで、一軸拘束を受けるコンクリートの強度について数多くの実験結果が報告されているが、拘束方向およびそれに直角方向に生じる膨張率と強度との関係を定量的に取扱ったものはほとんどない。本研究は、一軸拘束を行った膨張コンクリートを、拘束解除後直ちに圧縮強度試験を行い、各方向に生じた膨張率と強度との関係について実験的に検討したものである。 4.あとがき 一軸拘束を受ける膨張コンクリートの圧縮強度と、拘束方向およびそれに直角な無拘束方向の膨張率との関係を、拘束鋼材比、単位膨張材料および強度試験の材令等を要因として実験により求めた結果から、本実験の範囲内で次のことがらがいえると思われる。 (1)一軸方向だけを拘束しても、それに直角な無拘束方向の膨張率は自由膨張の場合とほとんど変わらないが、その値が700×10-5のように大きくなっても、同じ膨張率を示す拘束のないものに比して、その強度低下は少く、たかだか20%程度であった。このように、無拘束方向の膨張率が700×10-5程度以下の場合には、拘束鋼材比によっても強度は大きな影響を受け、拘束鋼材比が大きくなると、その方向の膨張率が小さくなるため、強度が高くなる。したがって、一軸拘束だけでも強度の点からは特に問題がないようにすることができる。 (2)無拘束方向の膨張率が700×10-5程度を超える場合には、拘束鋼材比を大きくしても強度低下が大きくなる。したがって、一軸方向だけの拘束の場合には膨張材の使用量限度がある。 (3)自由膨張させた場合と同様に、一軸拘束を受けた膨張コンクリートの圧縮強度の増加量は、普通コンクリートと同程度であり、そのため、圧縮強度比率は材令の経過とともに増加する。したがって、所要の材令において膨張コンクリートの強度を評価すべきである。 |
PDFファイル名 | 001-01-0022.pdf |