種別 | 論文 |
主題 | コンクリートのワーカビリチー評価法に関する基礎研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 岡本寛昭(舞鶴工業高等専門学校) |
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キーワード | |
巻 | 1 |
号 | 0 |
先頭ページ | 97 |
末尾ページ | 100 |
年度 | 1979 |
要旨 | 1.まえがき フレッシュコンクリートのワーカビリチーは運搬・打込みやすさの程度、および材料分離に抵抗する程度で示される性質で、セメント骨材等の材料特性、配合、温度等によって変化する極めて複雑多様な性質である。これらをレオロジー的性質と関連づけると、大略、次のように考えられる。 運搬・打込みやすさの程度→粘性→降伏値、塑性粘度 材料分離に抵抗する程度→凝集性→凝集力 従って、降伏値、塑性粘度および粘着力を測定することができれば、現在、主に経験技術者の目視によって判断されているコンクリートのワーカビリチーを定量的に評価することができると考えられる。 最近、内外の研究者によって、回転粘度計や球引き上げ型粘度計等の種々のレオメーターを用いてフレッシュコンクリートのレオロジー的研究が盛んに行われているが、それらの結果はコンクリートが非ニュートン流動であり、大体においてビンガム流動として近似できることを示している。スランプ試験は簡便な試験であるため、現在、広く用いられているが、このスランプ値はビンガム流動体における降伏値と最も関連する性質であり、塑性粘度とは明確な関連が認められないと報告されている。また、三軸試験等によるせん断試験によって、粒状体としての粘着力および内部摩擦角が存在することを明らかにした研究もあるが、このうち、粘着力は材料分離のよい指標となることが示されている。 現在までに開発された種々のレオメーターはいずれも試験装置が大がかりで、試験時間の長く、現場コンクリートへの適用が困難であると思われ、現場において簡易に降伏値や塑性粘度や粘着力が測定できる試験装置の開発が必要であると考えられ、また、その機運も高まっている。 以上の観点から、本研究は球並びにプレートからなる引き上げ抵抗試験を提案し、それを用いてフレッシュコンクリートのワーカビリチーを評価することを目的として、基礎的研究を行った。実験対象としたコンクリートは、(1)コンシステンシーが比較的大きいコンクリートにおいて、細骨材率を変化させた場合、(2)高性能減水剤を用いたコンクリートの場合である。 6.まとめ 本研究の範囲内で次のことがいえる。 (1)コンクリートのワーカビリチーを運搬・打込みやすさの程度と材料分離に抵抗する程度の2つに分け、それらを球引き上げ抵抗試験によって粘性の指標を、プレート引き上げ試験によって粘着力をそれぞれ簡易に測定することができ、これらを用いてコンクリートのワーカビリチーが定量的に評価できる可能性を示した。 (2)s/aの変化に対して、粘性よりも粘着力が鋭敏な変化を示した。 (3)高性能減水剤を用いたコンクリートのワーカビリチーは単位水量が増加すると球引き上げ抵抗力は小さくなり運搬・打込みやすいが、プレート引き上げ抵抗力、すなわち粘着力は小さくなり材料分離しやすいことを示した。 (4)スランプ値は球引き上げ抵抗力と関連性があるが、プレート引き上げ抵抗力とは関連性が認められなかった。 |
PDFファイル名 | 001-01-0025.pdf |