種別 論文
主題 スランプロス低減の一方法
副題
筆頭著者 吉原卓二(山陽国策パルプ(株)岩国研究所)
連名者1 藤丸幸男(山陽国策パルプ(株)岩国研究所)
連名者2 藤岡重信(サンフロー(株)技術部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
1
0
先頭ページ 109
末尾ページ 112
年度 1979
要旨 [1]まえがき
最近生コンの共販によって、コンクリートの運搬時間が短かくなって来たが、それでもなお交通の渋滞時や船による運搬、山地への運搬など運搬時間が長くなり、スランプロスが大きく施工が困難になることが多い。またJIS A5308レデーミクストコンクリートでは運搬時間は1.5時間以内と限定されているが、特に夏には、この時間内においてもかなりスランプロスが大きくなる場合がある。このようなスランプロスに対して考えられている対策をまとめると次のようになる。
1.あらかじめスランプを大きくする。
2.混和剤例えば遅延剤によってスランプロスを少なくする。
3.低下したスランプを復元させる。
 低下したスランプを復元する方法についてはかなり研究が進んでいるが、混和剤を加えあらかじめスランプを大きくする方法やスランプロスを少なくする方法についてはあまり検討がなされていない。コンクリートの管理のし易さ、品質に対する責任の所在の点などから考えるとスランプを復元する方法よりこの方法が優れている。この方法に用いる混和剤としてはスランプが増加し、そのロスが少ないと共に、コンクリートの他の性状に悪影響を与えないことが必要である。
 本研究はこの方法について検討し、特殊処理したリグニン系混和剤(サンフローFBR-60)が優れた性能を持つことがわかり、これを中心に行ったものである。
[4]まとめ
 スランプロス分だけあらかじめスランプを大きくする方法およびスランプロスを少なくする方法について検討して得られた結論をまとめると次のようになる。
(1)ASTM法による凝結時間とスランプロスとの間には相関がなく、単なる凝結遅延剤ではスランプロスは防げない。
(2)スランプロスの補償を初めに行なう方法では単位水量を上げるより、混和剤を加えて上げる方がスランプのロスは少ない。
(3)GLは0.1%までの添加量では効果が少ないが、0.2%添加すると、スランプロスは少なくなる。しかし凝結時間が非常に遅れる。
(4)Rの時差添加はスランプロスは少ないが、空気量が過大になる。
(5)FBRの添加は低スランプではスランプの上昇大きく、高スランプではスランプの上昇は小さいが、スランプロスが非常に少なくなる。また温度が高くなるとスランプロス防止効果が大きくなる。
(6)FBRの同時添加と時差添加では後者の方がスランプロスが少ないが、その差は小さい。
(7)流動コンクリートはスランプロスが大きいが、高流動化剤と共にFBRを併用するとスランプロスが少なくなる。
 本報告ではFBRの添加時期を混練開始1分後についてのみ限定して発表したが、添加時期を変えても効果があり、またFBRはスランプの復元剤としても使える。これらについては次の機会に報告したい。
PDFファイル名 001-01-0028.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る