種別 論文
主題 アルカリ骨材反応に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 川村満紀(金沢大学複合材料応用研究センター)
連名者1 枷場重正(金沢大学)
連名者2 竹本邦夫(金沢大学大学院)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 145
末尾ページ 148
年度 1979
要旨 1.まえがき
 コンクリート構造物におけるアルカリ骨材反応による被害がアメリカで発見されて以来約40年間多くの研究・調査が行われて来た。アルカリ骨材反応による膨張量は反応によって生ずる生成物の組成に依存すると考えられる。実際の反応牲骨材の混入したモルタルまたはコンクリート中において生成するゲルの組成は反応性骨材の性質、粒度、混入量およびコンクリート空隙中に存在する溶液のアルカリおよび水酸基イオン濃度等によって変化する。著者らがすでに行った我国において通常使用されているセメントを用いたモルタルに関する研究結果によると5mm〜0.1mm程度の大きさの反応性骨材が比較的少量(実験に使用したモルタルの配合)において、セメントに対する重量百分率で約7%)混入するときにかなり膨張が大きく、ひびわれ発生の危険性も高い。さらに最近のコンクリート工事の現況から、海砂の使用、防錆剤としての亜硝酸ソーダの添加、高性能減水剤の使用にともなう低水・セメント比のコンクリートにおける間隙溶液中のアルカリイオン濃度の増加等を考慮すると細骨材中に少量の反応牲の細粒子骨材が混入するだけでアルカリ骨材反応が生ずる可能性が考えられる。しかし、アルカリ骨材反応による膨張およびひびわれ発生におよぼす要因は多種多様であるので、実際には従来のASTM規格のみによってアルカリ骨材反応の可能性を予測するだけでは不十分であり、基礎的な反応機構の解明が必要である。しかし、これまでの研究においては、コンクリート内部に存在する反応生成物の組成、形態等について研究することは技術的に多くの困難をともなうので、コンクリート表面に浸出した反応生成物、または人工的に合成された物質に関する研究が主体である。本研究は予め想定された種々のコンクリート間隙溶液と反応性骨材間の反応生成物を走査型電子顕微鏡によって観察し、おもに反応生成物の形態と溶液中のアルカリイオン濃度との関係さらにモルタルバーの膨張性との関係について2,3の考察を加えたものである。
4.結論
 モデル溶液中に浸漬した反応性骨材の走査型電子顕微鏡による観察の結果、骨材の粒径およびNaイオン濃度の相違によって反応生成物の形態がかなり異なることが明らかになった。さらに、これら反応生成物の観察結果とモルタルバーの膨張特性との間にはかなりの関連性が認められた。
PDFファイル名 001-01-0037.pdf


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