種別 論文
主題 水砕スラグ砂を用いた高強度コンクリートについての検討
副題
筆頭著者 沼田晉一(新日本製鉄)
連名者1 坂田八郎(新日本製鉄)
連名者2 遠藤修弘(新日本製鉄)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 201
末尾ページ 204
年度 1979
要旨 1 まえがき
 製鉄所の工場等の諸施設は高炉スラグ砕石コンクリートが古くから使用されてきた。水砕スラグについても近年硬化なものが製造可能となったため、これを軽破砕加工し粒度調整したものを細骨材として利用する研究が我が国でも急速に進み、すでにいくつかの使用実績を有している。今回の検討は重荷重が作用する溶鉱炉鋳床スラブのけたの建設に当り、水砕スラグ細骨材(以下水砕砂という)を用いたコンクリートの高強度特性を調査したものである。なお粗骨材として高炉スラグ砕石を用いた高強度コンクリートの研究実績も限られているため、水砕妙に組合せ、併せて比較検討を行なった。対象としたけたは、設計基準強度σck=600Kg/cm2のプレキャスト鉄筋コンクリートである。
 水砕砂を用いたコンクリートのこれまでの研究によると、水砕砂コンクリートは初期強度が良質の河川砂を用いた場合よりも2〜10%小さいが、長期材令での強度は同等又はそれ以上になる。また水セメント比が小さい場合は川砂コンクリートよりも強度が小さく、水セメント比が大きい場合は同程度となり、とくにこの場合水砕砂の潜在水硬性が発揮される傾向にある。養生条件の違いでは標準養生、蒸気養生(65℃)については大きな差異はないが、乾燥状態に保ったり、オートクレープ養生の場合は川砂コンクリートに比べてかなり劣る傾向にある、といわれている。フランスではかなり昔から比重2.4程度以上の水砕砂がコンクリート構造物に用いられているが水砕砂は潜在水硬性があるためセメントぺーストと骨材表面の間に境界反応生成物が生じ、このエピタキシー効果によって強度増進と耐久性の向上が進むといわれている。
 このようなことから、水砕砂は高強度コンクリートとくに初期強度の発現を必至とするプレキャスト製品への利用が不利のように考えられるが、この点については実用目的で十分に検討されていない。高強度コンクリートの製造方法には高性能減水剤の使用、オートクレープ養生、加圧成形などの方法がある。今回筆者等は吉田徳次郎先生が昭和15年に発表された加圧蒸気養生方法を工業化した方法(加圧10Kg/cm2、100℃蒸気養生)によって円柱供試体及び鉄筋コンクリートを製作し実験を行ない、水砕砂及び高炉スラグ砕石の適用性について検討したのである。
8 まとめ
加圧成形に用いる水砕砂を用いたコンクリートは、川砂の場合に劣らない高強度コンクリートを得ることができ、従来の通常の範囲のコンクリートやオートクレーブコンクリートのデータからの懸念が払拭され、水砕砂を用いたコンクリートのプレキャスト化に展望を開いた。
PDFファイル名 001-01-0051.pdf


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