種別 論文
主題 RC構造体のコンクリート強度に関する研究
副題
筆頭著者 山根昭(竹中工務店)
連名者1 嵩英雄(竹中工務店)
連名者2 坂本昭夫(竹中工務店)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 221
末尾ページ 224
年度 1979
要旨 はじめに
RC構造体のコンクリートの品質の評価については、古くはBloemあるいはPetersonらの論文があり、わが国では神田、上野らの論文を太田が紹介している。実際のコンクリート構造体から採取したコア供試体の強度は、打設時に採取して現場水中養生を行った円柱供試体の強度とかならずしも一致せず、その原因は円柱供試体と実際の構造体のコンクリートの締固めおよび養生条件の差、円柱供試体とコア供試体の形状の差などによるとされていたが、これらの関係を定量的に明らかにした研究は少なかった。そこで筆者らは1971年に円柱供試体およびはりの小試験体を用いて、コンクリート強度におよぼす供試体の養生方法の影響ならびに試験時の乾・湿の影響について実験・解析を行った。その後さらに筆者らは1975年に1スパンの柱・はりに壁付きラーメンの実大模型を作成して、締固めの方法、各部材の断面および位置、はりの表面と内部、試験時の乾・潤の程度などの諸要因の影響について実験検討し、同時に各種の養生方法による円柱供試体とコア強度との対比を検討した。本報告はこれらの実験結果をシリーズIおよびIIにまとめて新たな考察を行ったものである。
おわりに
RC構造体のコンクリート強度におよぼす各種要因の影響を実験解析した結果の主なものをまとめると、(1)シリーズIの小試験体の実験結果から得た水中養生と湿空養生の強度差約30%、シリーズII実大模型実験での普通コンクリートの場合の部材断面の効果の差約15%の傾向、および円柱供試体の現場水中と現場気乾養生の4週および13週の強度差25%および33%となって現れている。(2)試験方法の乾・湿の影響は、シリーズIIでの小試験体では湿試験の方が乾試験よりも13週で約13%小さい値を示したが、シリーズIIの実大模型実験の普通コンクリートの場合の13%程度の低下となって一致した。(3)シリーズIから円柱供試体とコア供試体の養生方法と試験方法が同一であれば強度が変わらないという結果から、シリーズIIの実大模型実験での締固め方法の効果の約8%の増大はそのまま入念な締固めおよび養生の効果と評価される。(4)柱および壁の高さによるコア強度の差については、上部では下部に比較して普通コンクリートでは約12%、軽量で約11%小さい。(5)前項のコア強度の試験時の乾・湿の差では、材令13週で円柱供試体の各種養生の強度と比較したが、コア強度の平均値は乾試験では現場水中養生の円柱供試体強度よりも約8%高いが、湿試験では約5%低いことから、構造体のコンクリート強度を評価する有効な資料を得たと考える。
PDFファイル名 001-01-0056.pdf


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