種別 論文
主題 PC調圧水槽のスリップフォーム工法による施工について
副題
筆頭著者 宮口友廷(中部電力)
連名者1 福島啓一(飛鳥建設)
連名者2 安藤寿之介(飛鳥建設)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
1
0
先頭ページ 241
末尾ページ 244
年度 1979
要旨 1.はじめに
 本報告は、中部電力(株)が矢作川水系の旧黒田ダムを嵩上げした貯水池と既設の建設省矢作貯水池の落差を利用して、1,095,000KWの揚水発電所を建設する工事のうち、第一発電所の導水路調圧水槽の施工について述べるものである。
 従来、調圧水槽は事情が許す限り、地中に入れる方法を採ってきたが、この発電所の調圧水槽は、適当な地点に高い山がなく、近年のPC構造物施工実績を考慮して、地上50m、地下24mの調圧水槽のうち、地上部をPC構造として建設することになった。当初の設計段階では、従来の足場工法による施工が考えられていたが、山の頂上にあるため、風が強いこと等を考慮して、安全施工の面からスリップフォーム工法で施工することになった。又、更にコンクリートの連続打設から得られる打継目の減少による水密性の向上、コンクリートの品質管理の容易さ、工期の短縮等の利点があったが、一方、PC構造からくる制約による停止回数の増加により、スリップフォーム工法の経済的メリットが薄れた。
5.あとがき
 我国で初めての地上51.0mのPC調圧水槽(RC部19.2m、PC部56.0m)をスリップフォーム工法で施工したが、構造物の施工精度も良く、クラックやジャンカ等漏水の発生源となるものは全く認められなかった。
これは、コンクリートの配合設計において熱発生を極力小さくするよう配慮したこと、高性能減水剤(流動化剤)の使用により、施工性の良いコンクリートで施工できたこと、打設工程計画、打設設備計画が適切であったことによると思われる。その上、当初懸念していたよりも、PC工事の煩雑な施工もスムーズに行なえ、高所作業にもかかわらず、非常に安全な作業が行なえた。
 このように、スリップフォーム工法は特殊な工法であるため、微妙な点も多いが、その管理に十分気を付けるなら、巨大なPC構造物を施工するのに最も適した工法の一つであろう。従って今後このような構造物には、益々この工法が採用されると思われるが、本来のこの工法のメリットを十分に引き出せるように、今回の経験を生かし、停止回数を低減するように設計上配慮する必要があると思われる。
PDFファイル名 001-01-0061.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る