種別 論文
主題 重量コンクリートの軌道部材への使用の可能性について
副題
筆頭著者 青戸章(国鉄鉄道技術研究所)
連名者1 内藤甲子郎(国鉄鉄道技術研究所)
連名者2 小沢喬(国鉄鉄道技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 257
末尾ページ 260
年度 1979
要旨 1.まえがき
 列車通過に伴う騒音や振動を軽減する対策の1つとして、軌道部材を重くする方法が提案されている。軌道部材を大きくしないで重くするには重量コンクリートを用いるのがよいが、放射線遮蔽用の重量コンクリートに対しては従来から種々の鉱石が使用された例があるが、軌道部材に適用した例はまだないので、重量コンクリートの軌道部材への使用の可能性について実験的に究明した。
 軌道部材としての重量コンクリートに対しては、比重が大きく、強度や耐久性がすぐれているといった物理的特性のほかに、軌道回路としての絶縁性や、電鉄帰線であるレールからの漏れ電流に対するコンクリート自身の安定性、コンクリート中の補強用鋼材の防食性といった電気化学的特性も要求される。
 そこで、電気化学的特性では若干不安な点はあるが、比重が4.8と比較的大きく、国内で安定した産出が期待できる黄鉄鉱と、比重は4.3でやや小さく、強度その他の点で良質な重量骨材とはいえないが、電気化学的な面では心配のない重晶石、の2種類を重量骨材として選び、細・粗骨材の使用割合を変えた5種類の重量骨材コンクリートの供試体を作って、物理的特性および電気化学特性を普通骨材コンクリートと比較した。
6.まとめ
(1)コンクリートの比重を大きくするには、重量骨材を粗骨材として使用するのがよく、特に黄鉄鉱を粗骨材として使用すると効果がある。
(2)重晶石のみを用いた重量骨材コンクリートは、比重は3.6程度が得られ、普通骨材コンクリートと同程度の電気化学特性が得られるが、物理的特性で劣る点が多いので、軌道部材に使用するのは推奨できない。
(3)黄鉄鉱を使用すると、比重は4.0程度が得られ、他の物理的特性も普通コンクリートと同程度またはそれ以上が得られるが、電気化学的特性は非常に異なるので、軌道部材に使用する際には注意を要する。すなわち、黄鉄鉱を粗骨材として使用すると抵抗率が非常に小さくなり、補強用鋼材の防食性が低下するので、レール締結装置で絶縁をとる必要がある。また、黄鉄鉱を細骨材として使用すると十分なアルカリ性が保たれている間はよいが、何らかの原因でpHが低下すると黄鉄鉱の溶解が増大して中性化をさらに促進し、耐電食性も低下して、コンクリートの劣化を促進するおそれがある。帰電設備、排水の強化等、設置環境に十分留意する必要がある。
PDFファイル名 001-01-0065.pdf


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