種別 論文
主題 薄板の付着ひびわれについて
副題
筆頭著者 西堀忠信(大阪市立大学工学部)
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キーワード
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先頭ページ 273
末尾ページ 276
年度 1979
要旨 まえがき
 薄いコンクリート版内に埋め込まれた異形鉄筋に大きな引き抜き力が作用する場合、コンクリート版の表面で鉄筋軸に沿ったひびわれが発生する。このひびわれの発生によって鉄筋の応力度の分布、すなわち、鉄筋とコンクリートの付着応力度が変化し、ひびわれが生じている付近の付着応力度が低下し、付着応力度の大きい値はより深い所へと変化する。
このひびわれは、異形鉄筋のフシの支圧による局部的な円周方向の引張力によるほかに、版の特性として、版の面内力による水平方向の引張応力も大きな影響を有しているものと考えられる。
 薄いコンクリート版に大きな面内力が作用するケースとしては、ずれ止めを介してせん断力が伝達される合成桁の床版や架設時にクレーン船によって吊り上げられる港湾用ケーソンの吊筋が埋め込まれている壁などがある。特にケーソン用の吊筋の場合、ケーソンの大型化に伴ない、吊筋の本数の増加とともに吊筋1本当りの吊り上げ能力の大きなものが必要となる。吊り上げ能力を高めるために、在来用いられてきた形式の吊筋を大型化することは、施工上も経済性の上からも限界があり、より大きい能力を有する吊筋としては新しい形式のものが要求される。新しい考え方による吊筋のうち、タイロッドを支圧板で定着し、支圧板を介してコンクリート壁に力を伝達する形式のものと、大きな付着特性を有する異形棒鋼を用いたものが考えられるが、実験の結果によると後者の付着による型式はもとより付着力を絶ったタイロッド型式のものにおいても吊筋軸に沿ったひび割れの発生が認められた。したがって、これらのひびわれについて検討を加えて行く上でコンクリート版中に生ずる応力特性知る必要がある。
 本研究は、集中力および付着による分布力として作用する面内力によるコンクリート版の応力特性を確かめることを目的としたもので、弾性理論による応力特性の計算結果と実験結果からひびわれ発生状況および応力測定結果とを比較検討を加えたものであり、この種の構造物において力の作用する位置およびその大きさとひびわれ発生の可能性の予測をする上での資料としようとするものである。
PDFファイル名 001-01-0069.pdf


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