種別 | 論文 |
主題 | 新しいポリマーセメントモルタルの性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 大浜嘉彦(日本大学) |
連名者1 | 正木慎一(日本大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 1 |
号 | 0 |
先頭ページ | 401 |
末尾ページ | 404 |
年度 | 1979 |
要旨 | 1.はじめに 一般に、ポリマーセメントモルタルは、普通セメントモルタルと比較して、接着性、防水性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性などに優れ、土木、建築の分野では、舗装材、床材、防水材、接着材、防食材などとしてかなり大量に用いられている。これらポリマーセメントモルタルに用いられるセメント混和用ポリマーディスパージョンは種類が多く、その製品数は百種類以上に及び、生産量は1年間数万トンにも達している。 従来、ポリマーセメントモルタルに用いるセメント混和用ポリマーディスパージョンは、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)ラテックス、ポリアクリル酸エステル(PAE)エマルジョン及びポリ酢酸ビニル(PVAC)エマルジョンなどが主であった。近年ポリ酢酸ビニルとエチレンのコポリマーであるエチレン・酢酸ビニル(EVA)エマルジョンが多く使用されるようになってきた。又、従来のセメント混和用ポリマーディスパージョンがノニオン系あるいはアニオン系であるのに対し、ポリマーとセメントマトリックスとの付着を増すことによる性能改善を目的として、カチオン系の製品が開発された。 そこで、本報告では、現在市販されているエチレン・酢酸ビニルエマルジョン及びカチオン系ポリマーディスパージョンを選び、そのポリマーセメントモルタルとしての曲げ強さ及び圧縮強さ、接着性、防水性及び長さ変化の試験を行い、従来のスチレン・ブタジエンゴムラテックス、ポリアクリル酸エステルエマルジョン及びポリ酢酸ビニルエマルジョンを用いたポリマーセメントモルタルとそれらの性能を比較検討した結果を述べる。 4.総括 以上の試験結果を総括すると次のごとくである。 (1)一般に、エチレン・酢酸ビニルエマルジョン及びカチオン系ラテックスを用いたポリマーセメントモルタルの曲げ及び圧縮強さ、接着強さ、吸水に対する抵抗性及び乾燥収縮は、混和したポリマーの種類によって、かなりの差異が見られ、又、ポリマーセメント比の増大により、向上する傾向にある。この傾向は、従来から用いられてきたスチレン・ブタジエンゴムラテックス、ポリアクリル酸エステルエマルジョン及びポリ酢酸ビニルエマルジョンを混和したポリマーセメントモルタルと同様である。 (2)多くの場合、エチレン・酢酸ビニルエマルジョン及びカチオン系ラテックスを用いたポリマーセメントモルタルの性質は、普通セメントモルタルのそれを大きく上回るが、従来の製品との差異はそれほど認められない。又、カチオン系ラテックスを用いたポリマーセメントモルタルの顕著な特長は見いだせない。 |
PDFファイル名 | 001-01-0101.pdf |