種別 | 論文 |
主題 | 鋼繊維補強コンクリートはりの疲労特性、鋼繊維の配向および分散 |
副題 | |
筆頭著者 | 小谷一三(鹿島建設) |
連名者1 | 西村計一(鹿島建設) |
連名者2 | 塚田卓(鹿島建設) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 1 |
号 | 0 |
先頭ページ | 417 |
末尾ページ | 420 |
年度 | 1979 |
要旨 | I.はじめに 鋼繊維補強コンクリート(以下SFRCと記す)の特性を生かした用途として、土木構造物では舗装、橋梁の床版などがある。これらには交通荷重による曲げ応力、上面と下面との温度差による温度応力が繰返し作用するため、疲労特性が重要な問題となる。SFRCの曲げ疲労に関する実験例は少なく、不明な点も多い。したがって、SFRCの曲げ疲労特性を検討するために実験を実施するとともに、SFRCの曲げ強度などに影響する鋼繊維の配向および分散について検討を行なった。ここに、その結果を報告する。 V.まとめ 今回実施したSFRCの疲労試験の結果をまとめると次のようである。 1)SFRCの疲労強度は、静的破壊強度の約65%となり、プレーンコンクリートの値に比べて5〜10%大きい。しかし、今回の実験では、SFRCの疲労強度に及ぼす鋼繊維の形状寸法、マトリックスの種類の影響を明らかにするには至らなかった。これらと鋼繊維混入率の影響などは今後に残された問題である。 2)SFRCの疲労破壊は、鋼繊維のひびわれ拘束性によりひびわれの発生から相当数の繰返し載荷を行なった後に生じており、プレーンコンクリートと著しく異なるところである。 3)SFRCの疲労破壊に至るまでのはりのたわみ量およびヒステリシス曲線で囲まれる面積は、破壊近くになって急激に増加する以外は、ひびわれ発生によってもほとんど変化を示さず、ひびわれが鋼繊維の連結作用により弾性的な挙動を示していることが推察される。 4)SFRCの静的破壊強度および疲労試験の値は、かなりばらついているが、その大きな要因として混入した鋼繊維の中でSFRCの補強効果に有効に作用する方向に配向している鋼繊維密度の変動が考えられる。 以上のように今回実施した実験の結果、SFRCの疲労強度はプレーンコンクリートに比べて大きくなることが一応確認された。しかし、今回の実験は、あくまでも断面15×20cmの小型のはり供試体について、スパン80cm純曲げスパン25cmとした結果である。今後実構造物の設計に適用するために、実構造物の断面形状での鋼繊維の配向および分散、鋼繊維の配向および分散に及ぼす施工法の影響について検討するとともに、前述した鋼繊維の補強効果のばらつきに関する考え方についても検討を続ける予定である。 |
PDFファイル名 | 001-01-0105.pdf |