種別 論文
主題 分級フライアッシュを混入したコンクリートの基礎物性
副題
筆頭著者 浮田和明(四国総合研究所)
連名者1 石井光裕(四国総合研究所)
連名者2 重松和男(鹿島建設技術研究所)
連名者3 野尻陽一(鹿島建設技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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年度 1988
要旨 はじめに近年、石油代替エネルギーとして石炭が見直され、火力発電所における石炭使用量の増加に伴い副生される石炭灰の発生量は飛躍的に増大してきている。しかし、石炭灰の処理あるいは利用に関しては、埋立処理、セメント原料としての利用が主流を占め、コンクリート混和材としての有効利用は、以前のようには広く行われていないのが実状と考えられる。コンクリート混和材としてみた場合、近年のフライアッシュは、1)固定炭素が多く融点の高い海外炭の使用が急増していること。2)環境規制の強化(SOX、NOX対策)に伴い、燃焼温度が低めになっていること等のため、従前のフライアッシュに比べ品質のバラツキが指摘されている[1]。本研究は、このような情勢を踏まえて、フライアッシュの品質の向上及びバラツキを少なくするために、原粉を分級することにより細粒化したフライアッシュ(以後"分級フライアッシュ"と呼ぶ)は、1)数ミクロンオーダのものが多く含まれていること、2)しかも、これらの殆どは球形を呈していること(写真-1参照)、等の特徴を有することに着目し、これをコンクリートに混和した場合、強度を始め品質改善に寄与することが考えられ、研究の第一段階として、フレッシュコンクリート及び硬化コンクリートの基礎物性について検討した。まとめ 本実験の範囲内で、次のことが明らかになった。(1) 分級フライアッシュを混和することにより、コンクリートの単位水量を低減することができ、それに伴いブリージングも滅少する。その傾向は、分級により細粒化されるほど大きい。(2) 分級フライアッシュを混和することにより、水結合材比が一定の場合は、単位結合材量を減少できる。(3) 所定の空気量を得るためのAE剤使用量は、フライアッシュが細粒になるほど増加する。(4) 分級フライアッシュを混和することにより、圧縮強度は短期材令(材令28日まで)において無混和のものより若干低下するが、長期材令においては無混和の強度を上回る。この強度発現性は、原粉よりも分級により細粒化されるほど優れている傾向を示す。引張強度、曲げ強度、静弾性係数については、フライアッシュの混和の有無及び分級の程度による差はほとんどなく、普通コンクリートと同等と考えて良い。(5)クリープ係数は、原粉を混和した場合は無混和の場合と同等であるが、分級フライアッシュを混和することにより、減少する。(6) 乾燥収縮は、フライアッシュの混和率が増加するに従い減少する傾向を示すが、原粉と分級フライアッシュの差はほとんど認められない。
PDFファイル名 010-01-1001.pdf


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