種別 | 論文 |
主題 | AE減水剤および高性能減水剤を用いた低品質骨材コンクリートの性質 |
副題 | |
筆頭著者 | 河野 清(徳島大学) |
連名者1 | 堀井克章 (阿南工業高等専門学校) |
連名者2 | 安部真仁(徳 島 県 土 木 部) |
連名者3 | 岡野泰典(清水建設) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 43 |
末尾ページ | 48 |
年度 | 1988 |
要旨 | まえがき 骨材は、コンクリート容積の約70%を占めているので、その品質がコンクリートの諸性質に影響を与える。品質の良い骨材を使用することが、良いコンクリートをつくる基本であるが、近年、良品質の河川産骨材の入手が困難となり、粗骨材として砕石が、細骨材として海砂、山砂、砕砂などが盛んに使用され、それとともに、骨材の低品質化の傾向が指摘され、それに対する対応が必要となっている。骨材の低品質化は、(1)比重、吸水率など物性値の低下(2)粒形・粒度の悪化(3)泥土、塩分、軟石などの存在(4)反応性骨材の出現などにわけることができる。最近、四国地方でも原石の採取場所によっては、比重、吸水率などの劣る砕石、砕砂などが産出されるケースがあり、JIS A 5005に不合格の砕石を用いた硬練りコンクリートの諸性質に及ぼす影響についてすでに報告した。しかし、骨材は貴重な資源であり、混和剤と併用するなどして有効に利用して行く方法を検討する必要がある。そこで、本研究では、比重や吸水率の劣る低品質の砕石や砕砂を良品質の砕石や川砂と組合わせて用い、AE減水剤や高性能減水剤を添加し、セメント水比と28日強度との関係、材令6カ月にわたる圧縮強度、引張強度、動弾性係数、乾燥収縮などに及ぼす影響について検討を行った。 まとめ 研究結果を要約すると、本実験の範囲内で次のことがいえる。(1)AE減水剤を用いた低品質砕石コンクリートは、セメント水比が大きくなると強度増加率が低くなる傾向がある。高性能減水剤の使用はそれを改善でき、セメント水比が1.6から3.2の範囲内であれば、セメント水比と圧縮強度との関係を一次式で示すことができる。(2)低品質の砕石・砕砂を用いたコンクリートの材令28日および長期の6カ月の圧縮強度は、良品質の砕石・川砂コンクリートに比べて、平均10%程度低下する。(3)コンクリートの引張強度に対する骨材品質の影響は、圧縮強度に比べて顕著であり、引張強度の改善には粗骨材に良品質砕石を用いる必要がある。(4)低品質の砕石・砕秒を用いたコンクリートの動弾性係数は、良品質の砕石・川砂を用いたものより平均15%程度低くなり、骨材品質の影響が顕著にあらわれる。(5)低品質の砕石・砕秒を用いたコンクリートの乾燥収縮は、良品質の砕石・川砂を用いたものより明らかに大となる。高性能減水剤を使用するとAE減水剤を用いたものより数%低減できる。(6)低品質骨材に良品質骨材を組み合わせて使用すると、品質低下を緩和することができる。結局、低品質骨材を使用するとコンクリートの強度や動弾性係数が低下し、乾燥収縮は増加するが、セメント量を調節し、高性能減水剤を添加することにより、かなりの高強度が得られ、品質も多少改善されるので、構造物の重要度に応じて有効利用が可能と考えられ、とくに、良品質砕石と組み合わせて用いると、品質低下が緩和されるのでよい方法といえる。 |
PDFファイル名 | 010-01-1008.pdf |