種別 論文
主題 温度応力によるマスコンクリートの力学的挙動
副題
筆頭著者 今枝 靖典(名古屋大学)
連名者1 石川 雅美(東急建設技術研究所)
連名者2 西岡  哲(東急建設技術研究所)
連名者3 田辺 忠顕(名古屋大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
10
2
先頭ページ 175
末尾ページ 180
年度 1988
要旨 序論
マスコンクリートの温度応力発生メカニズムの解明は、過去十年間、特に大きな進歩をみせてきた。しかし、これらの研究は実構造物において実測した応力、ひずみなどの実験的研究、あるいは、各種解析法を用いた解析的研究のどちらかであり、同一試験体の同一部の応力とひずみの両方を、実験値と比較して十分な一致をみた解析例は数少ない。まして温度変形に関する実測例はほとんどないのが現状である。過去の研究例は、一局部のひずみのみを実測して解析したか、あるいは応力のみを実測し解析したか、そのいずれかが大半を占めている。応力、ひずみ、変位の三量を実測し二量は解析と合うが一量が解析と合わないというのであれば、まだ、十分に現象を理解したとはいい難いであろう。しかし、温度応力の研究は未だその域を脱していないと考えられる。そこで、本研究の目的とするところは、打継面の拘束条件を変化させた実構造物に近い大型試験体の実験を行って、応力、ひずみ、変位を独立に同一箇所において実測し、その三量を有限要素解析手法の結果と比較し、マスコンクリートの温度応力発生メカニズム、特に若材令に生じる打継面でのすべりやはく離の挙動について考察を行うところにある。
結論
大型のマスコンクリート試験体を3体作製し、変位、ひずみ、応力の多点測定を行い、実挙動を観測するとともに、これに対応させて擬3次元のFEM解析を行い、両者の比較・検討から、マスコンクリートの温度応力発生メカニズムを検討した。その結果、マスコンクリートの実挙動は、打継面のすべり、およびはく離挙動に大きく影響されていることが判明した。打継面のせん断剛性、鉛直剛性が多少変化しただけで、すべり、はく離、打継面の鉛直反力、それらの方向が変化し、それはまた、材令によっても影響されるのである。今回行ったFEM解析から、これらの微妙な挙動は、打継面に適切なせん断剛性モデル、鉛直剛性モデルを用いることによって、表し得ると考えられた。そのモデルの一つを同定結果に基づいて提案した。しかし、今後更に打継面の力学的挙動のモデル化を適切に行う研究が必要であろう。これは、新旧コンクリートの打継面の処理方法、岩盤とコンクリートの打継面の処理方法などによって、変化すると考えられ、必ずしも容易ではなかろうが、大体の方向は見出せたと感じている。クリープの影響については陽には論じていないが、ここでは有効ヤング係数として考慮されており、以上の結論はクリープも含めた上で、このような結論が導きうると考えられる。
PDFファイル名 010-01-1031.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る