種別 論文
主題 コンクリート表面各種塗布材のひびわれ追従挙動に関する研究
副題
筆頭著者 伊藤  洋(熊谷組)
連名者1 西山 勝栄(熊谷組)
連名者2 清水 昭男(熊谷組)
連名者3 石田 良平(熊谷組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 281
末尾ページ 286
年度 1988
要旨 はじめに
コンクリート建造物に発生するひびわれは、構造物の耐久性・水密性等の低下をもたらす。特に近年になって原子力発電所施設、放射性廃棄物処分ピット、海洋構造物などの高耐久性水密構造物が要求されるようになり、ますますひびわれ制御技術の確立が望まれている。しかし、コンクリート構造物に多種多様の要因で発生するひびわれを、多くの制約条件の中で完全に制御するということは、現実の問題として不可能に近い。このため、こうした制御し得ないひびわれに対しては何らかの対策を講じる必要性が生じることになる。このような背景にあって、近年伸び率の大きい各種塗布材をコンクリート表面に塗布することにより、施工後にひびわれが生じてもこれをカバーし、構造物自体の耐久性・水密性を維持させる方法が用いられ成果をあげている。このような塗布材の水密性に対する評価を行うに当っては、材料自体の水密性や伸び率よりも、下地の拳勤に対する追従性、下地への接着性、耐久性などの性能が要求されることになるが、中でも重要と思われる追従性に関する既往の研究は少なく、特にその定量的評価はあまりなされていないのが現状である。そこで、本論では現在一般に使用されている塗布材を塗布したコンクリート供試体を用い、人為的にひびわれを発生させることにより、各種塗布材のひびわれ追従挙動に関して実験・検討を行った。その結果、塗布材のひびわれ追従性に関する定量評価に対し、有用な知見を得られたのでここに報告する。
まとめ
種々の塗布材を施したコンクリート供試体に、人為的にひびわれを発生させ集中測定を行うことにより、各塗布材のひびわれ追従性について検討を行った。得られた成果をまとめると以下のとおりである。(1)コンクリートに発生したひびわれに対する塗布材の追従パターンを、幅1mm以上のひびわれにも追従することのできるType−A(ポリブタジエン系、ゴムアスファルト系、ポリマーセメントモルタル〔アクリル系〕)、幅0.1〜0.2mm程度のひびわれには追従することのできるType−B(エポキシ系〔軟質〕、ポリマーセメントモルタル〔エチレン酢酸ピニル系〕)、ひびわれにはほとんど追従できないType−C(エポキシ系〔硬質〕、ポリマーセメントモルタル+エポキシ、セメント系、含浸系)の3種類に分類することができた。(2)3種類に分類した塗布材のひびわれ追従性に対し、その基本的性質を吟味し、コンクリートのひびわれ幅Wと塗布材の歪εrとの関係を明らかにすることによって、各塗布材のひびわれ追従限界を評価することができた。なお、今回の実験は一般に使用されている塗布材をそれぞれの仕様に従って施工したため、塗布材の伸び率や塗膜厚等の付加的要因まで明確にするには至らなかったが、塗布材のひびわれ追従性に対する定量評価の足掛りを得ることかできた。今後さらに進んだ研究を行うつもりである。
PDFファイル名 010-01-1050.pdf


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