種別 論文
主題 床版防水への樹脂材適用とその評価法
副題
筆頭著者 宮本文穂(神戸大学)
連名者1 前田敏也(神戸大学)
連名者2 若原直樹(コニシ(株))
連名者3 藤岡英博(サンキット)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 287
末尾ページ 292
年度 1988
要旨 はじめに
近年、鉄筋コンクリート(RC)床版の損傷機構の解明とともに、床版防水の重要性が指摘され、高分子材料を中心とする種々の材料開発が試みられている。床版防水材には、これまで多くの実績を有する補修材に要求される性能に比べ、新たにさらに厳しい条件下での性能が必要となる。本研究は、床版防水層への樹脂材適用にあたって必要となる性能、すなわち、アスファルト敷設時の高温下及び重量車両通過時における材料物性の変化、欠陥発生の有無、ひびわれ追従性等に及ぼす影響を実験的に明らかにするとともに、供用開始後の車両通過による剥離力、せん断力等を解析的に求め、これらを総合した床版防水材評価法の検討を行おうとするものである。本研究の全体的な流れは以下の通りである。すなわち、試験は施工時に要求される性能に関するものと、供用時に要求される性能に関するものの2つに大別して行った。施工時に要求される性能に関する試験では、6種類の防水材を施工し、その上へアスファルトを敷設して、敷設時に重量車やアスファルトの熱からどの様な損傷を受けるかをアスファルト敷設後、ブロックやコアを切り出して、接着強度試験、剥離試験、透水試験などを行い、剥離試験結果の各調査項目と接着強度及び透水性との関係をそれぞれ数量化理論1類、2類によって明らかにし、その後、各樹脂材の優劣判定を行った。また、供用時に要求される性能に関する試験では、ひびわれ追従性試験、車両走行時のはがれ抵抗性及び重量車急制動時のせん断抵抗性についてのモデル解析による評価を行うとともに、基礎物性との関連も明らかにした。
結論
本研究では、床版防水層に対して主に力学的挙動面から施工時に要求される性能及び供用時に要求される性能に関する一連の試験及び解析を行い、床版防水層への樹脂材の適用性を検討し、その総合評価方法を提案した。本研究で得られた主な結論及び成果を以下にまとめる: 1)従来から提唱されている防水層に要求される性能と、今回新たに判明した要求性能について、従来の規格値の修正や要求される性能の改良点に加え、特に、供用時に要求される性能と基礎物性との関係についても明らかにし、これを総合評価法に取入れた。2)防水層に要求される性能について樹脂材A〜Fの満足度を見ると、ホットメルト型ゴム系防水材が最も多くの要求性能を満たしており、対象とした樹脂材の中では最も良好な樹脂材であるとの評価結果が得られた。3)今後の開発目標となる床版防水用樹脂材の理想的な特性について提案するならば、タイプとしては基本的にホットメルトタイプにし、施工面では、手間を省くためにできるだけ常温に近い温度で施工できるようなもので、また、アスファルトの敷設によっても変色せず、遮水性が悪くならない程度にアスファルト層へ浸入するような樹脂材と言うことができる。また、物性面では常温域での弾性係数Eの値ができるだけ小さく、転移領域をできるだけ低温域(-10℃以下)で持つような樹脂材と言うことができる。
PDFファイル名 010-01-1051.pdf


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