種別 | 論文 |
主題 | 固体間摩擦抵抗に及ぼすペーストの効果 |
副題 | |
筆頭著者 | 泉 達男(花王) |
連名者1 | 前川 宏一(東京大学) |
連名者2 | 小沢 一雅(東京大学) |
連名者3 | 國島 正彦(東京大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 309 |
末尾ページ | 314 |
年度 | 1988 |
要旨 | まえがき コンクリートのポンプ圧送は省力化と工期の短縮化等の経済的メリットによって広く普及するようになったが、一方で圧送管内での「閉塞」や「材料分離」などの未解決な問題も同時に含んでいる。一般に直管部では、固体栓が形成され、せん断ひずみ速度が無い領域が存在するといわれている。ところが、曲がり部や断面変化部(テーパ等)では骨材の相対的位置の変化や潤滑層の層厚変化がもたらされる。その結果、骨材相互や骨材・管壁間に衝突・接触摩擦などの応力伝達が励起され、アーチングや閉塞を引き起こす要因の一つになっていると考えられる。ペーストの力学的特性は骨材の動きにも影響を及ぼすと考えられるが、その他に骨材間に存在するペースト(モルタル)の性質によって粒子間の応力伝達機構も影響を受けると思われる。セメントペースト、モルタルの力学的特性の評価方法として、二重円筒型、引き上げ球型、平行板型など種々の方法が報告されている。しかし、これらの方法は、固体間摩擦抵抗の観点から行われている方法ではない。そこで、本研究では特に骨材間や骨材と管壁間の摩擦抵抗に及ぼすペーストの効果を調べるため、ペーストを介した鋼板による直接せん断試験を行い、ペーストを介在させた状態でのマクロなせん断力を測定した。これを基に、固体間のせん断応力伝達機構に及ぼすペーストの役割について検討したものである。 結論 1. ペーストを介在させた状態での固体間せん断伝達機構は、粒子接触に起因する摩擦機構と、流体としてのペースト粘着機構の複合効果として説明される。両機構の比率は、水-粉体比、混和剤の種類と添加量、粉体の形状によって影響され、両機構の複合効果の所産として伝達せん断応力が最小となる配合が存在する。2. 増粘剤の添加は摩擦機構を有効に低減させる効果を持つため、直応力の如何にかかわらず、伝達せん断応力を最小にする添加量が存在する。一方、高性能減水剤の添加は逆に摩擦機構の促進効果を有するため、せん断応力を低減する効果は小さい。 |
PDFファイル名 | 010-01-1055.pdf |