種別 論文
主題 粉体の保水性におよぼす分散構造の影響
副題
筆頭著者 遠藤 裕悦(日曹マスタービルダーズ)
連名者1 前川 宏一(東京大学)
連名者2 小沢 一雅(東京大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 315
末尾ページ 320
年度 1988
要旨 まえがき
フレッシュコンクリート、モルタルおよびペーストの力学的性状は、練り混ぜ方法、特に練り混ぜ水を分割することにより、ブリージング率が大きく変化したり、硬化後の強度も影響を受けることが報告されている。これらの現象は未だ統一された見解のもとに説明されているわけではない。また、セメント-水系のブリージングについては物理および化学的な面からの検討が多数行われているが、他の粉体を用いた場合の性状と比較検討したものは少ない。そこで本研究は、各種粉体を用い、練り混ぜ方法を変えて作製したペーストを直接顕微鏡で観察する事により、分散構造を明らかにし、粉体の保水性との関係について検討を加えることを目的とした。
まとめ
各種粉体を用いたペーストの、練り混ぜ方法とブリージング率の関係について、実験ならびに顕微鏡観察を行った結果、ペーストのブリージングは、練り上がり直後の粒子の分散の状態によって異なる。すなわち、練り上がり直後の個々粒子の分散が良いもの程、粒子が密に沈降するためブリージング率は大きくなる。逆に、粒子が凝集し内部に多くの水を抱え込んだものはブリージング率は小さくなる。また、練り混ぜ方法と各種粉体のペーストの粒子の分散の関係では、分割練りにしたものの方が、一括練りよりも練り上がり直後の粒子の分散は良好である。従って、ブリージング率は大きくなる傾向を示す。ただし、普通セメント-水系においては、初期の水和反応による「再凝集」という現象により、分割練りの方が一括練りのものよりブリージングが小さくなるという他の粉体とは異なるブリージング特性を示す。再凝集の起こる理由として、セメントの中の初期水和成分の量に起因するという考え方が有力である。また、普通セメント-水系の一括練りに置いて、粒子は規則性を増した構造となっていることが顕微鏡観察により確かめられた。
PDFファイル名 010-01-1056.pdf


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