種別 論文
主題 コンクリートの強度分布の確率性状に及ぼす骨材種別の影響
副題
筆頭著者 大岸佐吉(名古屋工業大学)
連名者1 小野博宜 (中部大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
10
2
先頭ページ 367
末尾ページ 372
年度 1988
要旨 まえがき
コンクリート強度のバラツキは従来正規分布で取扱われることが多い。この考えの基本は、破壊強度の分散は単なる偶然の結果生ずるとの考えに基づいている。しかしセメント系複合材は内部に存在する水隙、空隙、骨材粒子、水和の偏在など組織の不均質に起因するバラツキを本源的にもつ。従ってこの破壊は本質的に確率統計的現象であると考えられ、単なる技術的誤差だけに帰することはできず、バラツキの特性は各材料固有のものであると考えることができる。既にこのような観点からコンクリートの強度の分散を検討した報告がある。筆者もモルタル、コンクリートの強度分散現象をワイブル定数により実験的に考察し報告した。本研究の目的はコンクリート強度の分散特性に及ぼす骨材種別の影響を明らかにする。すなわち4種類の骨材を用いたコンクリートの曲げと圧縮強度の分散をワイブル分布により検討し、ワイブル定数に及ぼす1)骨材種別、2)試料寸法、3)粗骨材容積率、4)粗骨材最大粒径の各因子の寄与を明らかにした。確率特性に及ぼす骨材種別の影響の研究はまだない。
結論
川砂利、砕石、人工軽量および高炉スラグの4種類の異なる骨材を用いたコンクリートの強度分散をワイブル定数により実験的に検討した結果は、次のように要約される。1)コンクリートの曲げ・圧縮両強度の分散はどの骨材でもワイブル分布に従うと見倣しうる。2)曲げのワイブル定数mbは骨材種別により大きく異なる。mbが大きくて確率論的に均質性に富む順序は、人工軽量>スラグ>川砂利〜砕石である。この原因はコンクリートの破壊が、骨材破断か、付着破断か、もしくは母材破断の3形式のいずれであるかと深い関係がある。3)ワイブル定数mbは試料寸法に依存し大寸法ほどmは増大する。この増大変化は骨材種別により異なり、結論2)と同一順序で寸法依存をうける。人軽骨は最も寸法依存を受け易い。4)粗骨材容積比(Vg/Vcon)はmbに影響する。Vgが増すほどmbは直線的に低下する。5)高炉スラグ骨材コンクリートについて、mbは骨材粒径に依存することを確かめた。大粒径の場合ほどmb、mcは共に大きく低下し、この骨材の幾何学的不均質は確率的不均質に一致する。
PDFファイル名 010-01-1065.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る