種別 論文
主題 微視的温度応力を受けるコンクリートの力学的性質
副題
筆頭著者 田澤 栄一(広島大学)
連名者1 南  和孝(防衛大学)
連名者2 影山 智(山陽工業)
連名者3 寺西 修治 (広島大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 397
末尾ページ 402
年度 1988
要旨 まえがき
極高温あるいは極低温のような極端な温度環境条件下で使用されるコンクリートの力学的性質は、コンクリート中の水分の脱水あるいは凍結によって変化する。したがって、コンクリートの含水量は、このような温度環境条件下のコンクリートの性質に大きな影響を与える。さらに、高温の影響を受ける場合には、コンクリートの内部温度が100℃以上の範囲でアコースティック・エミッションによる微小ひびわれの検出値が急増することや、高温履歴を受ける場合に力学的性質が低下することなどから、温度上昇および降下に伴うコンクリートの内部構造の変化は、含水量の影響と同様に主な要因であると考えられる。低温の場合にも高温の場合と同様なコンクリート内部の構造変化がコンクリートの性質に影響を与えることが予想される。このようなコンクリートの内部構造の変化が生じるのは、コンクリートがセメントペーストおよび骨材かち構成される複合材料であるためであり、個々の複合要素が特有の熱変化挙動を示すことに起因する。特に、コンクリート内部で発生する微小ひびわれは、モルタル相と粗骨材相との熱膨張量の相違に伴って発生する熱応力(本研究では微視的温度応力と称する.)によって生じるものと考えられる。本研究では、種々の岩種を用いて製造したコンクリートの高温あるいは低温温度環境条件下の熱膨張特性および力学的特性を測定し、これらの特性に及ぼすコンクリートの内部水、微小ひびわれ形成および微視的強度応力の影響について検討した。本研究により種々の温度環境条件下にあるコンクリートの性質ならびにこれらの性質の変化の機構、さらに複合材料としてのコンクリートにおける力学的性質に関する複合効果を微視的な観点から明らかにすることができる。
結論
高温あるいは低温の影響を受けるコンクリートの力学的性質は、コンクリート中の水分の挙動、すなわち脱水あるいは凍結によって著しい影響を受ける。しかしながら、コンクリートの力学的性質の変化が使用した骨材の種類の相異により、さらに高温あるいは低温の履歴を受けることによって著しく変化することから、微視的温度応力によって引き起こされるコンクリート内部の微小ひびわれの形成が複合的な影響を与えていることがわかる。本研究では、このことを微視的温度応力とコンクリートの力学的特性との関係、ならびにアコースティック・エミッション法による温度上昇および降下過程におけるコンクリート内部の微小ひびわれの検出結果と力学的特性との関係によって確認することができた。
PDFファイル名 010-01-1070.pdf


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