種別 | 論文 |
主題 | 中性化試験方法の標準化に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 和泉 意登志(竹中工務店) |
連名者1 | 押田 文雄(竹中工務店) |
連名者2 | 嵩 英雄(竹中工務店) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 425 |
末尾ページ | 430 |
年度 | 1988 |
要旨 | はじめに 従来、コンクリートの中性化深さの測定方法として、コンクリートの破断面にフェノールフタレインエタノール溶液を噴霧し、コンクリート表面から赤着色部までの距離を測定する方法(以下、フェノールフタレイン法と呼ぶ)が実用的な簡易試験方法として用いられてきた。中性化の判定をフェノールフタレイン法によって行うことの妥当性は、岸谷博士によって明確にされており、森永博士、樫野博士、福島博士などによってもフェノールフタレイン法による呈色境界線の意味について種々の検討がなされている。また、1984年には、RIREMのCPC-18委員会から「硬化したコンクリートの中性化深さ測定方法」指針案が発表されているが、実際の中性化試験の様々のケースをすべてカバーしたものではなく不十分な点が多い。中性化深さ測定方法は、未だ溶液の種類や噴霧条件などが標準化されておらず、コンクリートの条件や測定者によって中性化深さの測定値に差異が生じる可能性があるのが現状である。実際、既存建築物のコンクリートの中性化深さを測定する場合において、着色部の境界が不鮮明である、赤く着色した部分と無着色部との間に薄いピンク色の部分がある、噴霧直後に着色せず数分後に着色する、などの中性化深さの測定が困難な場合をたびたび経験している。本報告は、フェノールフタレイン法の標準試験法を確立することを目的として、フェノールフタレイン法によるコンクリートの着色状況に及ぼす影響因子を検討し、標準的な試験手順を示したものである。 結論 フェノールフタレイン法による呈色状況は、測定面の処理法や試薬の噴霧条件等によって大きく影響されることを実験的に明らかにした。従って、フェノールフタレイン法によってコンクリートの中性化深さを測定する場合には、測定面の条件によって試薬の噴霧時期および測定時期を選定する必要がある。実際に中性化試験を行うことを想定した各ケースについて、清掃方法、前処理法、試薬の噴霧時期および中性深さの測定時期を表-8にまとめた。本中性化試験要領に基づいて中性化深さを測定すれば、測定条件や測定者の相違によるバラツキをほとんど含まない精度の高い値が得られると考える。 |
PDFファイル名 | 010-01-1075.pdf |