種別 | 論文 |
主題 | 透水型枠及び合板型枠を用いたコンクリートの品質判定に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 笠井 芳夫 (日本大学) |
連名者1 | 長野 基司 (セメント協会) |
連名者2 | 佐藤 孝一(熊谷組) |
連名者3 | 管 一雅(熊谷組) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 441 |
末尾ページ | 446 |
年度 | 1988 |
要旨 | はじめに 鉄筋コンクリート構造物の寿命にとって、コンクリートの耐久性は重要な支配要因となる。ここ数年、コンクリートの耐久性に関して種々の問題が提起され、それに伴って耐久性改善のための施工上の改良や、混和剤の開発がいろいろと行われている。これらの方策による耐久品質改善結果の判定や、既存構造物の耐久性診断にとって、短時間で定量的にコンクリートの品質を判定し得る方法を確立することが今後必要になってくるものと考えられる。筆者らは、これまでに現場で簡易にコンクリートの耐久性評価を行う方法として、簡易透気試験および簡易吸水試験を提案してきた。本論文はコンクリート構造物の耐久性改善工法の一つである透水型枠(テキスタイルフォーム)および従来の合板型枠を用い、水セメント比を変えた壁状試験体により、上記試験方法の耐久性評価の位置付けを検討するとともに、透水型粋による耐久品質改善効果の評価を行ったものである。 まとめ 1)透水型枠試験体のコンクリート表面10cmのコア圧縮強度は、いずれの水セメント比においても合板型枠のコア圧縮強度を上まわっている。また促進中性化深さも、透水型枠試験体は合板型枠試験体の1/5〜1/20という値を示しており、透水型枠の排水作用による耐久品質改善効果が確認された。2)細孔半経分布、全細孔容積の測定結果によると、透水型枠試験体は合板型枠試験体に比べ、表層部分で細孔半径15〜2800Åの細孔容積が大巾に減少している。これは透水型砕の排水作用により、コンクリート硬化体組織が緻密化したことによるものと考えられ、その品質改善効果域は今回の試験では表面から30mm程度と考えられる。一方合板型枠試験体では逆に表層部ほど全細孔容積が大きくなっている。3)簡易透気速度.簡易給水係数ともその値は透水型粋試験体の方が合板型枠試験体に比べ大巾に小さくなっており、透水型枠の耐久品質改善効果が認められた。また耐久品質改善効果の影響は、穴の深さを変えて行った試験結果によれば、表層部ほど大きくなっており、細孔容積の測定結果とも一致している。水セメント比の違いについては、透水型枠試験体、合板型枠試験体ともW/C=45%、55%では大きな変化は見られず、 W/C=65%になるとその値は大きくなっている。また高さ方向の影響もW/C=65%の試験体において顕著に現れており、 W/C=55〜65%の範囲にコンクリートの耐久品質上の変化域があるものと考えられる。4)簡易透気速度、簡易吸水係数のいずれも促進中性化深さ、全細孔容積の増大に伴ってその値も大きくなっており、上記両試験がコンクリートの耐久品質評価のための指標となることを示している。 |
PDFファイル名 | 010-01-1078.pdf |