種別 論文
主題 流電陽極方式によるコンクリート中の鉄筋の防食
副題
筆頭著者 加納伸人(中川防蝕工業)
連名者1 望月紀保(中川防蝕工業)
連名者2 篠田吉央(中川防蝕工業)
連名者3 千葉丈夫(中川防蝕工業)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 517
末尾ページ 522
年度 1988
要旨 まえがき
近年、コンクリート構造物の塩害による鉄筋腐食が問題となってきており、コンクリート中の鉄筋の防食についてさまざまな研究がなされている。その中で、電気防食法が有効であることが認められてきており、外国では橋梁や駐車場など多数の実施例がある。一般に実環境におけるコンクリートは、抵抗率が高く、防食電流が流れにくいため、流電陽極方式の適用は困難であるとの考え方があり、外国での実施例も主として外部電源方式によって行なわれている。しかしながら、電気防食の極間抵抗は塩害環境下にあってはあまり大きな値にならないことが多い。たとえば1m2における極間抵抗は、コンクリート抵抗率20000Ω・cm、かぶり厚さ5cmの場合10Ωである。つまり、防食電流密度が20〜30mA/m2とすると極間抵抗による電圧消費は0.2〜0.3Vであり、陰分極0.1Vを加えても、陽分極を非常に小さく抑制することが可能であれば、数百mVという小さな電圧で電気防食ができることになり、流電陽極方式の適用も可能と考えられる。本方式を適用した場合、最大の問題点はコンクリート表面に設置された流電陽極の性能をいかにして保持するかという点にある。本報告は、流電陽極材として亜鉛板を用いたときのバックフイル(陽極性能保持材)の開発およびバックフイルを用いた亜鉛シート方式による鉄筋電気防食試験結果について報告するものである。
まとめ
本研究によって得られた結果を以下に要約する。(1)流電陽極法による電気防食では、陽分極を低減させることが重要であるが、そのためには、コンクリート・陽極界面に水分を保持することが重要である。(2)コンクリート・陽極界面に水分を保持するために、吸水性・保水性に優れたベントナイト系のバックフイル材(ベントナイト、生石膏、MgSO4、MgCl2の混合物、重量比で7:2:1:3〜5)を見出した。(3)バックフイル材に含まれる硫酸イオンのコンクリート強度への悪影響は、電気防食下では認められなかった。(4)中型供試体における電気防食試験の結果、十分な防食電流が得られ、またすべての鉄筋に対して100mV以上のカソード分極が認められ、本方式での防食効果が確認できた。
PDFファイル名 010-01-1091.pdf


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