種別 | 論文 |
主題 | 高炉スラグ微粉末を用いた短炭素繊維補強モルタルの性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 古川 茂(群馬工業高等専門学校) |
連名者1 | 辻 幸和 (群馬大学) |
連名者2 | 大谷杉郎(群馬大学) |
連名者3 | 小島 昭(群馬工業高等専門学校) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 635 |
末尾ページ | 640 |
年度 | 1988 |
要旨 | まえがき 短炭素繊維をセメントペーストやモルタルの補強材として用いる場合については、すでに、その製造方法や性状に関する貴重な研究成果が報告されている。この場合には繊維をいかに均等に分散させるかが重要であり、既に筆者らは高炉スラグ微粉末を混和材として短炭素繊維補強モルタルの製造に用いる方法が、繊維の分散性や強度等の向上に有効な方法であることを提案してきた。しかしながら、さらに繊維の分散性の改善や高炉スラグ微粉末の有効利用を図るためには、高炉スラグ微粉末の種類や細骨材の種類を変えた短炭素繊維補強モルタルの性状についての検討が必要と考えられる。 本研究では、短炭素繊維を粉末度の異なる高炉スラグ微粉末を用いてモルタルのマトリックス中に分散させた短炭素繊維補強モルタルを作製し、モルタルの流動性、曲げ強度、圧縮強度、たわみおよび曲げタフネスについて実験した結果を報告するものである。さらに細骨材の種類や混入量の影響についても検討した。 結論 短炭素繊維の分散に混和材として高炉スラグ微粉末を用い、その粉末度を変えて、砂結合材比が0.7程度までの短炭素繊維補強モルタルを作製し、繊維の分散性、曲げ強度、圧縮強度および曲げタフネスなどについて実験を行った。その結果より、次のことがいえると思われる。1)標準砂と川砂を用いても、スラグの粉末度が大きいほど、マトリックス中への炭素繊維の分散が良好となることが認められた。特に、砂結合材比が大きい場合には、粉末度の大きい例えばブレーン値が8000cm2/gクラスのスラグを用いることが必要である。2)粉末度の異なるいずれのスラグを用いても、砂結合材比が0.5程度であれば、容積比で3%の炭素繊維を混入することにより、繊維で補強しない場合の2〜3倍の曲げ強度を得ることができた。しかし、圧縮強度の増加は期待できなかった。3)スラグの粉末度が大きいほど、炭素繊維補強モルタルの曲げ強度および圧縮強度は一般に大きくなる。4)繊維混入率および砂結合材比は、たわみおよび曲げタフネスにも影響を与えるが、スラグの粉末度および砂の種類は、砂の量が多くなるとほとんど影響を与えない。5)ブレーン値が8000cm2/gクラスのスラグを用いても、砂結合材比が0.7以上のモルタルを製造する場合には、モルタルの流動性を確保するために水結合材比を増加する等の考慮が必要である。 |
PDFファイル名 | 010-01-1113.pdf |