種別 | 論文 |
主題 | 抄造成型繊維補強セメントの強度特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 白川 潔(住友金属工業) |
連名者1 | 中川 憲一(住友金属工業) |
連名者2 | 三好 彰 (住友金属工業) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 653 |
末尾ページ | 658 |
年度 | 1988 |
要旨 | まえがき 抄造成型されたFRC(繊維補強セメント)は繊維が2次元配向となっているため、流込成型されたFRCよりも補強効果が大きい。一般に、抄造成型で得られるFRC製品には石綿が混入されているが、この石綿は補強繊維の他にプロセス繊維としても重要な役割を果たしている。しかし、発癌物質といわれている石綿は今後使用規制の可能性もあることから、代替繊維の開発が強く求められており北欧ではポリプロピレン繊維などが実用化されている。そこで本報では、プロセス繊維にパルプを、補強繊維として物性の異なる2種類の繊維、すなわち弾性係数がマトリックスのそれより高い炭素繊維(以下CFと称す)と逆に低いポリプロピレン繊維(以下PPと称す)をそれぞれ用い、丸網抄造成型したFRCの強度特性を明らかにしたのでその結果につき述べる。 まとめ 石綿を使用せずに丸鋼抄造成型するために、プロセス繊維としてパルプを用い、補強繊維としてCFとPPをそれぞれ用いたFRCの強度特性を調査した結果、以下のことが判明した。(1)CFRCの表面の炭素元素の分布をX線分析装置で解析し、これより求めたCFの配向比とCFRCの曲げ強度比σbC/σbLとの間には正の相関関係が認められ、抄造材の強度の異方性は繊維の配向に支配される。(2)CFの混入率が多くなるにつれ、またCF長さが長くなるにつれてCFRCの曲げ強度が高くなる。この曲げ強度は、CFの引き抜け抵抗を考慮した式で推定が可能である。(3)PPは弾性係数がマトリックスのそれより小さいため、PPRCの曲げ強度の向上には寄与しないが、伸びが大きいため、アイゾット衝撃強度を大幅に増大させ、混入率が同一の2vol%の場合CFRCの約1.8倍の値を示す。 |
PDFファイル名 | 010-01-1116.pdf |