種別 | 論文 |
主題 | 反応性骨材を用いたモルタル細孔溶液の組成 |
副題 | |
筆頭著者 | 小林 一輔(東京大学) |
連名者1 | 瀬野 康弘 (東急建設) |
連名者2 | 河合 研至(東京大学) |
連名者3 | 宇野 祐一(ショーボンド建設) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 733 |
末尾ページ | 738 |
年度 | 1988 |
要旨 | はじめに コンクリート内部で生じる反応は、固相であるセメント及び骨材と、液相である細孔溶液との間の化学反応であることから、コンクリート又はモルタル中の細孔溶液の組成を調べることは、近年問題となっている塩害やアルカリ骨材反応のメカニズムを解明するうえで重要である。このような観点に基づき、細孔溶液中のNa+、K+、OH-又はCl-などの濃度に着目した研究が内外で行われている。しかし、これまでの研究はすべて密封状態で保存した供試体を用いて行われており、モルタルバー法をはじめとして各種の反応性骨材の反応性を調べる促進試験と同様な環境、即ち開放状態の供試体について細孔溶液を調べた報告は見当たらない。筆者らは反応性骨材の種類、水セメント比、アルカリ量を変えて作製したモルタル供試体を温度40℃、湿度100%で養生した場合の細孔溶液中の各種イオン濃度の経時変化を調べるとともに、同一条件で養生した供試体の拘束膨張を測定した。本文はこれらの結果を取りまとめたものである。 まとめ 反応性骨材の種類、水セメント比、アルカリ量を変えて作製したモルタル供試体を温度40℃、湿度100%で養生した場合の細孔溶液の組成及び拘束膨張を調べた結果、以下のようなことが判明した。1)モルタルバー法等と同様な環境で養生したモルタル供試体から抽出した細孔溶液の組成は、密封供試体の場合と同様で、大半はアルカリイオンと水酸イオンによって占められており、Caイオンはごくわずかしか存在しない。2)開放養生した供試体においては、密封養生した場合と異なり、細孔溶液中のNa+、K+及びOH-濃度は、材令とともに減少するが、そのpHは材令26週においても12以下にはならない。3)Na+、K+及びOH-濃度の減少量は、骨材の種類によって異なり、反応性の大きいといわれている骨材ほどその量は大きい。4)(Na++K+)濃度の減少量と膨張圧はよい対応を示し、細孔溶液中のアルカリ減少量は骨材の反応性を推定する1つの目安になると思われる。 |
PDFファイル名 | 010-01-1131.pdf |