種別 論文
主題 発水剤によるアルカリ骨材膨張の抑制
副題
筆頭著者 宮川 豊章(京都大学)
連名者1 久田  真(京都大学)
連名者2 管島 章文(京都大学)
連名者3 藤井  学(京都大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 767
末尾ページ 772
年度 1988
要旨 はじめに
一般にアルカリ骨材反応によってコンクリート構造物に損傷が生じるのは1)限界量以上の反応性シリカ量2)十分なアルカリ量3)十分な水分の3者がそろって存在する場合であり、その膨張損傷を防止するためにはこれらの内いずれかを満足しないようにすればよいと考えられる。損傷を生じている構造物の補修を行う場合には、現段階では3)の水分についてのみが制御可能であろうと考えられる。コンクリート中の水分制御法としては、表面処理を施すのが一般的であるが、膨張抑制効果を期待する場合には、1)外部からの水分の供給を遮断し、コンクリート中の水分量を膨張を生じる限界量以上にしない、2)内部からの水分の逸散を促進させるなどして水分量を限界量以下にする、の2側面からの配慮が必要である。近年の報告によると、2)の水分逸散効果が大きなことを特徴とする発水剤による表面処理仕様の効果が注目され、種々の検討が行われ始めている。アルカリ骨材反応による膨張現象は、環境条件に大きく影響を受け、しかも長期間こわたって進行することが知られている。しかし、わが国における環境条件を適切に考慮し、長期間の検討を行った報告はほとんど見られないのが現状である。
まとめ
1)今回用いた乾湿環境における膨張促進程度は京都の室外自然環境の約2倍程度である。2)発水性に期待するシランによる表面処理は、今回用いた遮水性に期待する表面処理に比べてアルカリ骨材拡張抑制効果が大きい。またシランによる表面処理は、本実験で採用したアクリル系ポリマー・セメント・モルタルを塗布することにより、アルカリ骨材膨張抑制効果を一層大きくすることが可能である。3)重量変化率0.4%がアルカリ骨材膨張の急激な進行の上で1つの目安と考えられる。4)発水性能に期待する材料を用いた表面処理の対象となるコンクリート構造物の、表面積と体積との比(S/V)が大きな程表面処理の膨張抑制効果および水分増加抑制効果は大きい。5)施工面積率も膨張抑制効果および水分増加抑制効果に大きな影響を与え、本実験で用いた表面処理仕様および供試体寸法の場合、施工面積率13/18以上であれば全面処理とほぼ同様の効果を得ることができた。
PDFファイル名 010-01-1137.pdf


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