種別 | 論文 |
主題 | アルカリシリカ反応によるコンクリートの膨張性状に及ぼす各種要因の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 野村 謙二(東京大学) |
連名者1 | 小林 一輔(東京大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 801 |
末尾ページ | 806 |
年度 | 1988 |
要旨 | まえがき アルカリ骨材反応によるコンクリートの膨張に基づく構造物の劣化を防止するための確実かつ有効な対策としては、少なくとも現時点においては、コンクリート中のアルカリ量を制限する以外にはないと考えられている。米国では、古くからアルカリ量をNa2O換算で0.6%以下とするように低アルカリセメントをASTMC150に規定しているが、近年の傾向としてはコンクリートのアルカリ源として混和剤や塩化ナトリウムなども考えられるところから、コンクリート中の総アルカリ量を制限する方向へ動いており、我が国でも大筋としてはこの方針を採用している。しかし、実際にこのような考え方で良いのか否かを確かめたデータは少ない。一方、コンクリート中のアルカリ量が同一の場合、水セメント比の大小によってアルカリシリカ反応による膨張やひびわれ性状に差を生じるか否かについては必ずしも明確にされていない。本研究では、以上の諸点を確かめると共に、コンクリートの環境温度の影響、反応性鉱物量の影響、及び反応性骨材の粒径の影響についても実験的に調べた結果をまとめたものである。 まとめ 本研究を行った結果、次のことが明らかとなった。1)コンクリート中の総アルカリ量が反応性骨材を用いたコンクリートの膨張を支配すると考えて良く、現在、内外において採用されているコンクリート中の総アルカリ量の規制値である3kg/m3は妥当な値であると思われる。2)環境温度を20℃とした場合、膨張が増大し始める時期は40℃の場合よりも遅れるが長期材令では40℃の場合よりも大きい膨張を示す可能性がある。3)安山岩とチャートを骨材として用いた場合、膨張に関する反応性鉱物のペシマム量が存在する。4)反応性骨材の粒度は、膨張に大きい影響を与える。5)アルカリ量、温度、粒径に依存するコンクリートの膨張性状は、反応性骨材の種類(安山岩とチャート)によって異なる。 |
PDFファイル名 | 010-01-1143.pdf |