種別 | 論文 |
主題 | FRPロッドにより補強したプレストレストレジンコンクリートはりの曲げ性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 福沢 公夫( 茨城大学) |
連名者1 | 沼尾 達弥 ( 茨城大学) |
連名者2 | 吉本 稔( 茨城大学) |
連名者3 | 塚本 博( 茨城大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 3 |
先頭ページ | 33 |
末尾ページ | 38 |
年度 | 1988 |
要旨 | 研究の目的 レジンコンクリート(以下RECと略す)を構造部材として適用するため、鉄筋、高張力鋼あるいはガラス繊維のプラスチック収束材を、鉄筋コンクリート(以下RCと略す)の補強材として用いた研究については、いくつか報告がある。RECには、不飽和ポリエステル樹脂が用いられるため、硬化収縮が大きいという問題があり、収縮の大きいことが曲げ性状に及ぼす影響あるいは、収縮の大きいことの影響を低減するための方法についての研究が行われてきた。しかし、RECの強度を損なうことなく、収縮量を著しく低減できる低収縮タイプの樹脂が開発され、この樹脂を用いることによりRCはりの曲げひびわれ耐力は、補強材の量の多少によりあまり変化しないこと、曲げ破壊耐力は、補強材の量の増加にともない増大することが明らかにされている。しかし、RC部材として利用するのでは、RECの高い引張強度を有効に使うことはできない。また、荷重による変形量を小さくするためにもプレストレストコンクリート(以下PCと略す)として用いるのがよいと思われる。しかしRECは中性であり、鋼材を補強材として用いるとひびわれが生じた場合、発錆に伴う耐力低下が起こる。そこで鋼材の代わりにプラスチック収束材を緊張材として用いることが考えられる。また、プラスチック収束材を、緊張材として用いると、そのヤング係数が小さいため、クリープによるプレストレスのロスを小さくできるという利点もある。本研究は、緊張材として炭素繊維のプラスチック収束材(以下CFRPロッドと略す)を用いるプレテンション方式のRECPCはりの曲げ性状、とくに変形性状および曲げ強さについて述べるものである。実験にあたっては、補強材としてPC鋼棒を用いる場合との比較実験およびロッドの緊張量の影響実験を行った。 結論 CFRPロッドを用いた、プレテンション方式のレジンコンクリートPCはりの曲げ試験の結果から次のことがいえよう。(1)ひび割れ曲げモーメントは、緊張応力の大きいほど大きい。その値は、レジンコンクリートの収縮量は考慮せずに、一般のプレストレストコンクリートと同様にコンクリートの曲げ強度、導入荷重から求めることができる。(2)破壊曲げモーメントは、緊張応力の大きさによらずほぼ一定値を示した。その値は、コンクリートの引張強度を無視し、緊張材の破断によりはりが破壊するという仮定で求めることができる。(3)はりの終局の曲率・たわみは緊張応力の増大に伴い減少する。(4)PC鋼棒を用いる場合と比較すると、次のことが言えよう。1)ひび割れ・破壊曲げモーメントは計算値と一致しており両者の差はみられない。2)プレストレスを導入しない場合は同等であるものの、プレストレスを導入する場合の変形能力は、PC鋼棒を用いる場合より劣っている。 |
PDFファイル名 | 010-01-2007.pdf |