種別 | 論文 |
主題 | 太径樹脂アンカーのせん断実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 広沢 雅也(建設省) |
連名者1 | 芳村 学(建設省) |
連名者2 | 秋山 友昭(東京ソイルリサーチ) |
連名者3 | 片桐 太一(日本ドライブイット) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 3 |
先頭ページ | 69 |
末尾ページ | 74 |
年度 | 1988 |
要旨 | はじめに 近年、耐震補強工事や建築構造部の増改築工事の増加に伴って、後施工アンカーが主要構造部に多用されるようになっている。このような部位に用いるアンカーには大きな耐力を負担させることが必要となるために、従来から用いられてきたものより太径のものの使用頻度が増大してきている。これに伴って、後施工アンカーに関する実験も数多く行われているが、その多くがアンカーの引抜き耐力に関するものである。また、せん断実験にしてもそのほとんどが径19mm以下の細径のものを扱っている。そこで本実験では、樹脂アンカーの中でも特に太径のもの(D25、D22)についてせん断実験を行うことにより、主に耐力と最終的な破壊性状に対す加力方法、アンカー径、アンカー埋込み深さおよび同時に加力するアンカーの本数などの影響を実験的に確め、今後のアンカーの設計に資することを目的としたものである。 まとめ 太径樹脂アンカーについて、埋込み深さ、アンカー径、加力方法、アンカー本数等を変動因子としてせん断実験を行った結果、次のことが明らかになった。(1)各試験体の荷重-変形関係は、比例限界が比較的小さく、最大耐力時には15〜60mmの水平変形を生じた。(2)各変動因子の内、最大耐力時の平均せん断力度(τmax)に対して大きな影響を及ぼすものは理込み深さであり、その他の因子の影響はあまり大きくなかった。a)D22、埋込み深さ5d試験体で多少繰返しによる耐力低下がみられるものの、その他の試験体では加力方法による差はほとんど認められない。b)樹脂アンカーの場合、D22とD25程度の径の違いであるならば、最大耐力時の平均せん断応力度(τmax)への影響はほとんどない。c)同じ埋込み深さ5dとした樹脂アンカーとメカニカルアンカーとのτmaxは、径25mmの場合、メカニカルアンカーの方が全体的に1.1倍程度大きいものの、径22mmの場合には、両者にほとんど差は認められない。d)埋込み深さ5dの場合には、単体と群体試験体とのτmaxにあまり大きな差は認められない。e)単体の場合、 τmaxに及ぼす埋込み深さの影響が大きく表われている。アンカーの設計に関して、最大耐力では埋込み深さ7.5d以上が確保されていればいずれの指針式でも安全側に評価できる。しかし、最大耐力時のすべり変形量は、いずれも非常に大きいので、実際の設計ではこのことを考慮の上、耐力を適宣低減して評価する必要がある。 |
PDFファイル名 | 010-01-2013.pdf |