種別 論文
主題 付着割裂する矩形断面鉄筋コンクリート梁のせん断抵抗機構
副題
筆頭著者 坂本 成弘(大成建設)
連名者1 辰巳 佳裕(東京大学)
連名者2 小谷 俊介(東京大学)
連名者3 青山 博之(東京大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 167
末尾ページ 172
年度 1988
要旨 はじめに
鉄筋コンクリート部材がじん性を損なう原因としては、主筋の座屈、圧縮コンクリートの圧壊、せん断破壊、主筋沿いの付着破壊などがあげられるが、本研究では付着割裂する鉄筋コンクリート梁について実験を行ない、せん断力に対する抵抗機構を検討した。付着割裂とは、異形鉄筋が引張力を受けるときその横節がコンクリ−トを押し開いて割り裂くことにより付着力を低くするもので、材に作用するせん断力はこの割裂幅を広げ、やがては主筋の応力が付着によりコンクリートに伝えられなくなる。ここで、付着割裂とはひび割れを示すものであり、この割裂幅が広がることによって主筋付着力が低下する。付着割裂は材端に生じたせん断ひび割れの材中央側のひび割れ端から材の中央部に向けて主筋沿いに生じる。したがって、材の中央部にある材軸に直交する方向に配筋される補強筋は、特に付着割裂に対して有効であると考え、通常のせん断補強筋と区別して横補強筋と呼ぶ。付着割裂する鉄筋コンクリート部材では、主筋沿いの付着応力度は、主筋引張端から低くなっている範囲があり、その他ではほぼ一定となる。主筋応力分布例を図1に示す。この応力分布の勾配が付着応力度となる。ここでは、付着応力度が低い、つまり主筋応力が一定の範囲を除いた範囲での付着応力度の平均を主筋平均付着応力度とする。
まとめ
付着割裂する鉄筋コンクリート梁のせん断力に対する抵抗機構を検討した。鉄筋コンクリート部材は主筋沿いに付着割裂を生じると主筋付着力が低下し材の耐力が低下するが、梁では上端と下端の主筋付着強度が異なる。抵抗機構はトラス作用とアーチ作用のふたつのモデルに分けて考えたが、トラス作用ではこの上端と下端の主筋付着力の差を考慮したものとした。実験で計測された主筋応力から主筋沿いの平均付着応力度を求めて、部材に作用するせん断力を算定した結果、実験で得られたせん断力と良い対応を示した。このことから、せん断力の伝達機構を上記のようにモデル化するのは適切であると考えられる。
PDFファイル名 010-01-2031.pdf


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