種別 | 論文 |
主題 | SRC-RC梁の接続部に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 福知保長(名古屋工業大学) |
連名者1 | 外狩吉隆(清水建設) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 3 |
先頭ページ | 201 |
末尾ページ | 204 |
年度 | 1988 |
要旨 | 序 1987年の鉄骨筋コンクリート(以下SRCと記す)構造計算基準(以下SRC基準と記す)の改定により、SRC構造の鉄骨継手(以下Jと記す)部における断面耐力の算定に、鉄骨部と鉄筋コンクリート(以下RCと記す)部の応力の伝達が円滑に行われるのであれば、設計・施工上の都合により鉄骨部の設計応力が部材の許容耐力を超過した時でも、鉄骨の耐力不足分をRC部の耐力で補った設計が可能であるとする項目が盛り込まれた。筆者らは、鉄骨母材に対して欠損率50%程度までの断面欠損を持つ鉄骨を内蔵するSRC部材において引張実験および純曲げ実験を行い、鉄骨の欠損耐力に対する鉄筋による補強効果を確かめ、その際補強率が約120%あれば、鉄筋によって鉄骨の耐力欠損分を補いうることを示している。これを極端に進めると、J部の鉄骨を全面的に無くした場合でも、鉄骨部とRC部との間の応力伝達は可能で、梁耐力を全面的にRC部にもたせ得るという考え方が成立する。更に、地震応力の大きな梁端部はSRC造、応力の小さな梁中央部はRC造とする混合講造が考えられ、力学的に一番問題となるSRC-RC接続部に、鉄筋で十分な強度を与えることが可能であれば、梁端部で破壊が生じ、耐震性能もSRC造と同等程度になると思われる。この混合構造には、鉄骨の削減による経済性、コンクリートの充填性も確保でき、また壁筋としての鉄筋が上層部、下層部への通し筋とすることが可能であると言う利点もある。以上の事を鑑み、この混合構造の有効性を実験的に明らかにした。 結論 端部SRC-中央部RC構造梁の履歴性状は、接続部に十分な補強(主筋補強率で約140%、あばら筋補強率wP=0.64%)を施せば、SRC構造と同等程度のエネルギー吸収能力の優れたものとなることが示された。また、ブラケット間に軽微なつなぎ材を設ければ、施工上の役割ばかりではなく、ブラケット部の鉄骨の軸方向の拘束材として作用し、材の端部の曲げ耐カを一般化累加強度式による耐力まで上昇させうることが分かった。接続部でのあばら筋補強率は、本実験で採用した値より緩和できるものと考えられるが、この点については、更に検討を要する。 |
PDFファイル名 | 010-01-2037.pdf |