種別 論文
主題 高強度横補強筋を用いた高強度コンクリート柱および梁の実験的研究
副題
筆頭著者 菅野 俊介(竹中工務店)
連名者1 長嶋 俊雄(竹中工務店)
連名者2 木村 秀樹(竹中工務店)
連名者3 田村 彰男(竹中工務店)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 227
末尾ページ 232
年度 1988
要旨 まえがき
近年RC造建物の高層化が進み、設計基準強度Fc=400kg/cm2(以下Fc400のように略記)を超える高強度コンクリートが使用されるようになってきた。筆者らは、建物のより高層化や架構形式の多様化(例えばチューブ架構や壁フレーム架構)、スパンの拡大、部材断面の縮少化などに対応するために、Fc600〜800の高強度コンクリートと降伏点強度が8000〜13000kg/cm2の高強度横補強筋とを組み合わせたRC部材を開発するための基礎的研究を継続的に行なってきた。本報はそのうちの柱の曲げせん断実験および梁の曲げせん断実験について述べるものである。柱の曲げせん断実験では高軸圧縮力下での高強度コンクリート柱の力学性状、特に、変形能力と横補強効果の関係を把握すること、梁の曲げせん断実験では高せん断力を受ける短スパン梁の変形能力と横補強効果の関係を把握することを目的としている。
むすび
今回の2つの実験から、高強度コンクリート(Fc600.800)を用いた柱、梁いずれの場合にも全補強式に基づいてせん断補強を行なえば、曲げ降伏を先行させることができることが判明した。高軸圧縮力を負担する高強度コンクリート柱(Fc600.800)の場合には、全補強式Pw・wσyに基づいてせん断補強すれば、同じ軸力比のFc400の試験体と同等の変形能力を得ることができ、横補強筋量をさらに割り増すことにより、変形能力を増大させることが可能である。それに対して梁では、τmuが同じレベルの場合、全補強以上の補強を行なっても変形能力の向上は認められなかった。また、コンクリート強度が高くなっても変形能力に差は見られなかった。これは、軸力のない梁の場合、全補強筋量付近に補強限界があることを示唆している。コンクリート強度の影響が見られないのは破壊パターンが柱の場合のように曲げ圧縮破壊でなかったためと考えられる。今後の課題として、高強度コンクリート部材の横補強筋量と変形能力の関係を定量的に把握すること、補強筋のピッチの影響を把握すること、梁の変形能力を向上させるために破壊パターンを曲げ圧縮破壊型に変える方策を検討すること等が必要である。
PDFファイル名 010-01-2042.pdf


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