種別 論文
主題 鉄筋コンクリートばりの長期たわみ解析とその適合性について
副題
筆頭著者 杉野目  章(室蘭工業大学)
連名者1 井野   智(北海道大学)
連名者2 伊藤  正義(北海道工業大学)
連名者3 駒込   環(北海道大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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3
先頭ページ 307
末尾ページ 312
年度 1988
要旨 はじめに
筆者らは先に、曲げひび割れの生じたはりや床スラブの剛性を、同じたわみを与える弾性曲げ部材の有効断面2次モーメントで表し、はり柱の連成を考慮した床スラブの初期たわみとコンクリートの時間依存性を考慮した長期たわみ解析法を提案した。この解析方法は、ACI規準(1983)に準拠して行っている点が多く、例えば、ひび割れ発生部材のスパン方向の剛性を一様とし、部材のスパン中央の配筋のみで長期たわみを算定するなど、ひび割れ領域や配筋状況を正確に反映していない。これらの計算上の不備を補うためには、はりまたは床スラブのスパン方向の剛性分布が不均一な、所謂、変断面部材について解析を行う必要がある。本論文では、まず、使用荷重下でひび割れが生じ変断面となる鉄筋コンクリートばりまたは一方向床スラブをスパン方向に分割し、節点の断面性能を修正しながら有限差法による弾性解析を繰り返して初期たわみを求め、さらにコンクリートの材料性状を修正することにより任意材令における長期たわみを予測し得ることを示した。次いで、既往の長期載荷実験によって本解折方法の適合性を検討したのち、境界条件、断面寸法等の異なる多数のはり材について、材令を無限大とした時のたわみ(終局たわみと呼ぶ)計算を行い、常用断面のはり材の長期たわみ性状や使用限界等について論じた。
まとめ
以上のことから、1)弾性たわみを基準とした終局たわみの倍率は4〜8倍で平均約6倍、2)配筋可能な両端固定ばりおよび連続ばり外端にたわみ障害は起こらない、3)単スパンの小ばりは配筋可能であってもたわみ障害を起こす危険性があること、などが明かとなった。引続き、対象を単スパンに限定し、直交大ばりのたわみとねじれを考慮した長期たわみ解析を行う所存であるが、ここでは両端単純支持ばりの計算結果を用い、単スパンでははり丈スパン比を少なくても0.08以上とすべきことを提案し、本報告の結論とする。なお、終局たわみ実用計算法の提示は、紙幅の関係で次回に譲ることとする。
PDFファイル名 010-01-2056.pdf


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