種別 論文
主題 鉄筋コンクリート造耐震壁のせん断ひびわれ性状に関する検討
副題
筆頭著者 稲田 泰夫(清水建設)
連名者1 岡田 恒男(東京大学)
連名者2 秋野 金次((財)原子力工学試験センター)
連名者3 小池 健仁(大林組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 385
末尾ページ 390
年度 1988
要旨 目的
原子炉建屋の一部の耐震壁には地震力を分担するという機能の他に、通常の建築物にはない機能が要求されており、そのひとつが耐漏洩機能である。曲げによるひびわれは地震終了後は自重による軸力により殆ど閉じると考えられるので、耐漏洩機能を検証するためには、耐震壁に発生した残留せん断ひびわれを通じて漏洩する空気の量を評価すればよい。漏洩量評価のための実験的アプローチの方法としては、一本のひびわれからの漏洩量を評価する算定式を作成し、これとは別に残留せん断ひびわれの幅および本数を求め、これらの積和として壁の漏洩量を求めるミクロ的な方法と、せん断ひびわれの発生した壁の漏洩量を測定し、せん断応力度あるいはせん断ひずみ度と漏洩量の関係式を導くマクロ的な方法とが考えられる。ひびわれの発生したコンクリート壁の一面を負圧または正圧に保持し、漏洩量を測定する実験的研究としては、Rizkallaらによる引張り力をうける壁板を通じての漏洩実験(文献1)、あるいは鈴木・滝口らによる一本のひびわれを通じての漏洩量を評価するための実験(文献2)、等が行われている。また(財)原子力工学試験センターにおいても試験を実施中である。これらの実験によれば、漏洩量は、1)ひびわれ幅のほぼ3乗に比例する、2)両面の差圧にほぼ比例する、3)壁厚にほぼ反比例する、ことがわかってきた。即ち、先に述べたミクロ的な評価方法の基礎的なデータはある程度蓄積されてきたといえる。一方、マクロ的な評価法のデータとなるせん断ひびわれを生じた壁を対象とした漏洩試験は現在実施中のものもあるが、結果はまだ公表されていない。また、ミクロ的評価のもうひとつのデータであるひびわれ幅、あるいはひびわれ間隔に関する実験的研究は、曲げひびわれを対象としたものは多いが、せん断ひびわれを対象としたものは少ない。柳下らは柱型のある耐震壁26体の実験結果を整理し、せん断ひびわれ本数あるいはひびわれ幅の推定式を提案している(文献3)。しかし、これらの試験体は壁鉄筋としてD6鉄筋を用いた小型のものであり、また対象としたひびわれは加カサイクルのピ−ク時のものである。本論はこのような現状を踏まえ、耐震壁の残留せん断ひびわれの幅、および間隔を推定するための資料を得、ミクロ的な評価方法の一助とすることを目的とし、(財)原子力工学試験センターで行われたスケール・イフェクト試験の試験データの整理・検討、および非線形FEM解析による検討を行った結果を示すものである。今後の検討課題既往の漏洩に関する実験データおよび本論で示したひびわれ幅等に関する実験データはいずれもばらつきがかなり大きい。しかし、漏洩量とひびわれ幅との関係はある程度明らかになってきており、かなりの安全率を見込めば実用的な設計式を提案することは可能であると思われる。さらに、マクロ評価に係わる実験データも公表されると期待されており、この方向からの設計式の提案もあり得よう。せん断ひびわ幅、間隔等のデータ、特に残留時に注目したデータは少なく、今後のデータの蓄積を期待するとともに、さらに検討を続けたいと考える。
PDFファイル名 010-01-2070.pdf


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