種別 | 論文 |
主題 | 鉄筋コンクリート造有開口壁のせん断補強法に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 加藤大介(新潟大学) |
連名者1 | 石塚正浩(清水建設(株)) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 3 |
先頭ページ | 403 |
末尾ページ | 408 |
年度 | 1988 |
要旨 | まえがき 連層耐震壁を有する鉄筋コンクリート(以下RC)造において靱性設計をする場合には耐震壁は最下階脚部の曲げ降伏により崩壊形を形成することが必要である。しかしながら、耐震壁は一般に開口を有することが多いためにそのせん断耐力は無開口の耐震壁に比べ大きく低下し、一般的な配筋を有する有開口耐震壁を用いて曲げ降伏形を実現させるのは困難である。一方、開口補強法としては、日本建築学会RC規準により開口が存在することにより生じる縁応力や斜め引っ張り応力に対して縦、横及び斜め筋により補強する方法が示されているが、これらの補強筋はせん断耐力には寄与せず、開口の変形を抑制することに効果があることが指摘されている。そこで、本論文では、開口を有する連層耐震壁において曲げ降伏形を実現させることを念頭におき、せん断耐力を有効に上昇させるせん断補強法を開発することを目的に、開口横のせん断補強法としてX型筋とハ型筋を用いた耐震壁のせん断破壊実験を行った。 結論 せん断耐力を有効に上昇させるせん断補強法を開発することを目的に、開口横のせん断補強法としてX型筋とハ型筋を用いた耐震壁のせん断破壊実験を行い以下の結論を得た。(1)実験値における斜め筋の最大耐力に対する効果は引っ張りと圧縮に有効だとした計算値に対して、52%〜71%であり、圧縮力を受ける斜め筋の効果はせん断耐力に対しては余り無かった。しかし、このとき、圧縮を受ける斜め筋は降伏レベルまで達しており、耐力ヘの寄与が少ない理由としては、その分コンクリートの圧縮ストラットの面積が減少しているためと考えられる。(2)斜め筋は靱性能を改善するのに有効であった。しかし、斜め筋量を増加させると、引っ張り斜め筋による耐力の上昇と耐力低下の減少は期待できるが、定着端でのひび割れにより、履歴エネルギーの増加は部材角1/100〜1/50程度の変形にならないと期待できない恐れがある。(3)斜め筋をハ型に配筋したものは、X型に配筋したものと同等以上の耐力と靱性能を示した。しかし、本実験では壁のコンクリートの拘束がまだ不十分で、それによる耐力上昇はなかった。 |
PDFファイル名 | 010-01-2073.pdf |