種別 | 論文 |
主題 | 2層複合体の復元力特性に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐藤 和英(佐藤工業(株)) |
連名者1 | 東浦 章(佐藤工業(株)) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 3 |
先頭ページ | 449 |
末尾ページ | 454 |
年度 | 1988 |
要旨 | はじめに 原子炉建屋の様に、ボックス壁や円錐台壁等の立体耐震壁を組合せた構造物の、地震時の連成的な挙動を把握するために行う静的載荷実験は、スラブの面内せん断変形等の影響によって非常に難しいものとなる。このため、建屋の地震時の挙動に近い状態を再現できるように、試験体の壁やスラブの厚さの関係をできるだけ実際の形状にちかづけ、ボックス壁や円錐台壁およびスラブに作用するせん断力は地震時と同等にする必要がある。本実験では、2層複合試験体を用いたサブストラクチャー的手法による仮動的実験を行い、地震時の挙動を把握する。この結果から、地震時にボックス壁や円錐台壁およびスラブに作用するせん断力を再現するような荷重の比を求め、これで制御した静的載荷実験を行い2層複合体の復元力特性を把握する。さらに、ボックス壁や円錐台壁に「建屋の復元力特性に関する研究委員会」が提案した復元力特性モデルを2層複合体に適用し、スラブの面内せん断変形の影響について検討することを目的とした。 まとめ 2層複合試験体を用いたサブストラクチャー的手法による仮動的実験、地震時の挙動を再現するような荷重の比で制御した静的載荷実験、およびボックス壁や円錐台壁に対して提案された復元力特性モデルを2層複合体に適用した解析によって次の結果を得た。(1)仮動的実験による最大応答変位は、同程度の地震波を入力した弾塑性地震応答計算の結果とほぼ等しくなること、ひび割れは、主にボックス壁と円錐台壁の1層のウェブ部に発生することが明らかとなった。また、地震時の建屋の挙動を把握する方法として、本実験で採用した仮動的実験手法は有効であることが認められた。(2)静的載荷実験では、スラブには面内力と面外力によるひび割れが発生したこと、ボックス壁のせん断すべり破壊が先行し、その後の繰返しで円錐台壁のせん断すべりが生じたこと等が認められた。また、ボックス壁と円錐台壁の変形モードに差があり、円錐台壁にはスラブの曲げ戻しの影響が認められた。(3)床スラブせん断変形を考慮し、はり要素を用いて荷重増分解析を行なった結果、スラブの面内せん断変形は、壁の水平変形やひび割れ発生等の全体的な挙動に及ぼす影響は少ないことが認められた。また、本解析の結果、「建屋の復元力特性に関する研究委員会」で提案したボックス壁や円錐台壁の復元力特性モデルは、それらを組み合わせた立体耐震壁の解析にも適用できることが明らかとなった。 |
PDFファイル名 | 010-01-2081.pdf |