種別 論文
主題 靱性を考慮した鉄筋コンクリート部材の実用せん断設計式
副題
筆頭著者 倉本 洋(鴻池組)
連名者1 甫 宏一(大阪工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
10
3
先頭ページ 651
末尾ページ 656
年度 1988
要旨 まえがき
近年、鉄筋コンクリート(RC)構造部材のせん断設計式を理論的なアプローチによって構築しようとする試みが積極的に行われている[1]。これらの試みの一つとして、極限解析の下界定理を用いたマクロモデルによる方法が挙げられる[2]、[3]。これらは、RC部材の複雑なせん断破壊現象を巨視的(macroscopic)に捉え、理解しやすい簡単な力学モデルによって、終局状態のみに着目した理論解を得ようとするものである。得られた理論解の耐力予測精度の良否は、直接モデルの良否に依存するが、マクロモデルの物理的意味およびその適用範囲を把握することによって、合理的な実用せん断設計式の構築が可能となると考えられる。一方、現在、日本建築学会・鉄筋コンクリート構造運営委員会の耐震設計小委員会(主査、岡田恒男)では、"鉄筋コンクリート造建築物の終局強度型耐震設計法"の指針作成作業が進められている[4]。この耐震設計法の特色は、1)降伏ヒンジを計画する部材端部に対して必要とする強度と靱性を確保する"降伏機構設計(仮称)"と2)降伏ヒンジを計画しない部材端部の強度を確保する"保証設計(仮称)"の考え方にあり、降伏機構設計をも考慮した実用せん断設計式が前述した理論的なアプローチによって提案されている[5]、[8]。筆者らも、終局強度型耐震設計法の考え方を念頭に置いた合理的な実用せん断設計法の確立を目的として作業を進めており、既に、文献[7]において累加強度理論[2]に基づいた保証設計に対する実用せん断設計式を提案している。本論では、その後の作業において明らかになった旧提案式[7]の問題点を指摘し、新たな実用せん断設計式の提案を行う。さらに、降伏機構設計に対して、新提案式に基づいた靱性評価法を提案する。
まとめ
終局強度型耐震設計法を考慮した鉄筋コンクリート部材の実用せん断設計式を若林・南理論に基づいて提案し、さらに提案式に基づく靱性評価法を考案した。提案式の強度および変形能予測精度は良好であり、合理的かつ簡便なせん断設計を可能にする。
PDFファイル名 010-01-2116.pdf


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