種別 論文
主題 高炉スラグ微粉末を使用して施工したコンクリート桁
副題
筆頭著者 小林明夫((財)鉄道総合技術研究所)
連名者1 沼田晉一(新日本製鐵株式会社)
連名者2 近田孝夫(新日本製鐵株式会社)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 31
末尾ページ 36
年度 1988
要旨 まえがき
高炉スラグ微粉末(GGBFS)コンクリートは、長期強度を増進し緻密な組織のコンクリートを作るので、塩分浸透に対して抵抗性を示し、その他いくつかの優れた点を持っている。しかし、初期強度の発現が遅いため、適切な養生が行なわれない場合には、所期の目的は得られないおそれがある。そのため、冬期においては比較的薄い部材に対して、この種のコンクリートが施工された実績は少ない。本報告は、冬期に施工された鉄筋コンクリート桁に、GGBFSコンクリートを試験使用した例に関するものである。コンクリート橋は、全長15.9mの鉄道橋(単線2主桁、f'ck=240kgf/cm2)で地上15m、海岸より約80mで塩風が直接当たる位置にある。今回施工した桁本体のコンクリートは約51m3であり、桁の断面を図−1に示した。なお、隣接スパンの普通ボルトランドセメント(OPC)コンクリートのうち一連を選びGGBFSコンクリートとの比較用の桁とした。
結論
実際のコンクリート桁を施工して、粉末度4200cm2/g、7日活性度指数80級のGGBFSを用いたコンクリートに関して、次のようなことがわかった。(1)GGBFSコンクリートは、OPCの場合に比べて単位水量を減じ、施工性に富む。しかし、OPCと同等の脱型時期となるような初期強度を得るための水結合材比は、若干小さくする必要があり、これには現場養生の条件がOPCよりも大きく強度発現性に影響することを考慮しなければならない。練り混ぜ操作は、必要とする貯蔵・計量に対する考慮を除けばOPCの場合と同様としてよい。(2)圧縮強度は、材令7日まではOPCに比べて小さいが、28日以上の材令ではOPCに比べて大きくなり、長期強度に特長がある。また、桁、床版の型枠取外しに必要な圧縮強度140kgf/cm2は冬期(日平均気温6〜8℃)でも数日の養生で満足できる(3)初期材令においては、標準養生、現場養生とも積算温度と圧縮強度との関係は、良好な関係が見られる。(4)スラグ置換率の推定試験においては、良好な結果が得られた。(5)塩分浸透に対する抵抗性は、OPCコンクリートに比べて良好である。細孔径分布は、OPCに対して、大径のものが少なく、微細径が多く、かつ全細孔量も小さい。(6)中性化深さは、OPCコンクリートと同程度であるが、HPC+Sgコンクリートがより小さい結果となっている。これは、材令3日で暴露した結果であり、HPC+Sgに対してはこの程度の養生でよい結果であったが、OPC+Sgについては中性化対策の観点からもさらに養生を十分に行うことが重要である。
PDFファイル名 010-02-1006.pdf


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