種別 | 報告 |
主題 | 酷暑条件下での温度応力を考慮した大型PCタンク側壁の施工 |
副題 | |
筆頭著者 | 西尾 浩志(安部工業所) |
連名者1 | 嘉手納良啓(沖縄県 企業局) |
連名者2 | 新垣 允啓(国建) |
連名者3 | 屋良 朝憲(大城組 ) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 127 |
末尾ページ | 132 |
年度 | 1988 |
要旨 | はじめに プレストレストコンクリート(以下PC)タンクの側壁下端部付近は、コンクリート硬化時の温度変化による変形が底版により拘束されるため、円周方向に温度応力が生じ、底版に直角方向のひびわれが発生することがあった。このようなセメントの水和熱に起因する温度ひびわれに関しては、近年この予測・制御に関して研究がなされ、これらの成果が「指針」や「示方書」に取り入れられるようになった。これらの中には、温度および温度応力を予測する際の解析に用いる定数の"めやす"も示され、実務レベルでも取扱い易くなっている。今回、酷暑条件下(沖縄本島、夏期)において大型PCタンクを施工する機会を得た。この側壁に関して「示方書」等に基づき温度ひびわれの検討をおこない、パイプクーリング等の方法により温度ひびわれを発生させずに施工することができた。この際、コンクリートの温度やひずみ、使用コンクリートの強度・変形特性について測定実験をおこなった。これらを検討した結果、酷暑条件下におけるコンクリートの性質は「示方書」等に示される"めやす"では十分表せない場合いもあり注意を必要とすることがわかったので、実際おこなったひびわれ制御方法とともに報告する。なお、本文中の"応力"は、特記なき限り円周方向応力を意味するものとする。 まとめ 日本においては最も暑い条件下で、有数の大型PCタンタ側壁を、合理的な対策をとり施工した結果、温度ひびわれを制御できた。温度、応力度の予測値と「測定値」とは比較的よく一致し、条件を正しく評価すれば、ある程度の精度で予測が可能であることがわかった。「示方書」等に示される解析の際の"めやす"に関しては、過去にも指摘があるが、酷暑条件下においてコンクリートの特性を十分に表せない場合もあるなど、いくつかの問題点が指摘された。今後は、PCタンクに関してデータを蓄積し、気象、構造、形状および材料等の条件が定まれば、温度ひびわれ指数を簡便に、ある程度の精度で予測できるようなアプローチをおこなっていきたい。 |
PDFファイル名 | 010-02-1023.pdf |