種別 | 報告 |
主題 | 鋼繊維補強即時脱型コンクリートの衝撃強度特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 涌井 一(鉄道総合技術研究所) |
連名者1 | 井上 寛美 (鉄道総合技術研究所) |
連名者2 | 奥田 広之(鉄道総合技術研究所) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 627 |
末尾ページ | 630 |
年度 | 1988 |
要旨 | はじめに コンクリートはひびわれを生じやすい脆性材料である。このため繊維質の補強材を混入して、一様に分散させることにより、その特性の改善を図った繊維補強コンクリートが開発され、近年用いられるようになった。これに使用する繊維材料は、弾性係数の大きいものを用いるほどひびわれ発生に対する拘束能力が大きく、引張強度の増加、耐衝撃性を改善することが可能である。コンクリートマクラギのような軌道部材は、列車の通過に伴い車軸毎に荷重を受け、車輪フラットの衝撃や著大輪重など苛酷な荷重環境にあることから、繊維補強コンクリートの適用の可能性が考えられる部材である。鋼繊維補強コンクリートの軌道部材への適用性について検討するため前報の静的強度試験に引続き重錘落下装置による衝撃強度試験を実施した。供試体の製作方法は即時脱型方法によった。即時脱型方法は、特殊な混和剤を用いず超硬練りのコンクリート(スランプ0cm)を振動・圧縮して成形し、その直後脱型する方法であり、脱型を早めるための加熱養生が不必要で、超硬練りとするため単位セメント量を低減させても高強度が得られる等、経済性に優れている。鋼繊維補強コンクリートは、従来の方法でコンクリートを練りまぜ打込む場合、作業性の確保のため水セメント比を多少大きくする傾向があり、これが原因となって鋼繊維補強コンクリートの強度がいく分か低くなるものと考えられる。これを改良するため、鋼繊維補強コンクリートと即時脱型方法との組み合せを考えた。 まとめ 軌道部材が受ける衝撃作用に対して鋼繊維補強のみで抵抗させるには、2%以下の混入率では不十分であることが明らかにされた。しかし、混入率の増加により破壊までの繰返し数は飛躍的に増大することが見受けられることから、即時脱型方法の利点を活かして、部材のある部分に鋼繊維の多量混入や長繊維の採用などの工夫を図ること、またプレストレスと併用することなどにより、軌道用部材において鋼繊維補強のメリットを活かす余地は十分にあると考えられる。これらについては今後の課題として残された。 |
PDFファイル名 | 010-02-1111.pdf |