種別 | 報告 |
主題 | アラミド繊維による組紐状棒材の基本的特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 岡本 直(三井建設) |
連名者1 | 田村 富雄(三井建設) |
連名者2 | 松原 澄行(三井建設) |
連名者3 | 谷垣 正治(三井建設) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 659 |
末尾ページ | 664 |
年度 | 1988 |
要旨 | はじめに 最近、軽量かつ高強度で耐食性にも優れているなど、様々な特徴を有した新しい繊維材料が各分野で活用されてきている。筆者らは、この様な繊維を建築および土木分野へ適用するために種々検討してきた。本報告は、その1つとしてアラミド繊維を組紐状の棒材に加工したものを、コンクリート補強用材料として用いるために行った各種実験についてまとめたものである。ここでは、コンクリート補強用材料として具備すべき性能のうち、引張特性、疲労特性、付着特性、耐久性等の基本的な特性を把握するために行った試験について報告する。 結論 アラミド繊維の組紐状棒材を、コンクリート補強材として用いるために行った各試験結果をまとめると以下の通りである。(1)棒材の平均引張強さは、アラミド繊維量で換算した強度の78〜88%の範囲であり、棒材の径が太くなるにしたがい有効率がやや下がる傾向が見られる。(2)ヤング率に関しては、棒材の径による差は見られず、0.612〜0.666×106kgf/cm2程度である。(3)K64の棒材は、下限値0.5Pu、上限値0.8Pu程度の引張疲労試験では、200万回くり返しても破断しない。(4)K64のリラクセーションは、100時間経過後でおよそ10%前後となっており、PC鋼材に比べて2〜2.5倍の値である。(5)K64のクリープ量は、緊張終了時の伸び量に対して1000時間で10%程度であり、緊張力による差はあまり見られない。(6)棒材の端部めり込み量0.025mm時の付着強度に関して、棒材表面に砂を接着したものは異形鉄筋に比べて大きく、50〜80kg/cm2程度の値を示している。(7)耐熱性については、乾燥および湿熱状態とも220℃まではほとんど強度低下を示さない。(8)耐アルカリ、耐薬品性についても今回の試験結果では、顕著な変化は見られず、実用上の支障は少ないものと思われる。以上のように、アラミド繊維の組紐状棒材がコンクリート補強材料としての必要性能をほぼ満足していることが確認でき、さらに、実際に使用する際の設計資料にフイードノーバックできる定量的評価も行えた。しかし、新しい材料であるために、試験データも少なく、今後さらに詳細な試験を実施する必要があるものと考えている。 |
PDFファイル名 | 010-02-1117.pdf |