種別 | 報告 |
主題 | コンクリートの残存膨張促進試験方法に関する−実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 田村 博(日本建築総合試験所) |
連名者1 | 高橋 利一 (日本建築総合試験所) |
連名者2 | 大橋 正治(日本建築総合試験所) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 713 |
末尾ページ | 716 |
年度 | 1988 |
要旨 | まえがき 既存コンクリート構造物が、アルカリ骨材反応による劣化の疑いのある場合に、1)その劣化がアルカリ骨材反応によるものであるか否か、2)アルカリ骨材反応による劣化であるとすれば、今後の同反応による劣化はどの程度か、を判断する方法の一つとして、コンクリートの残存膨張試験がある。同試験では、既存コンクリ−ト構造物から採取したコンクリ−ト・コアを促進条件下で養生し、アルカリ骨材反応による残存膨張量を測定する。残存膨張量が過大な場合には、アルカリ骨材反応がコンクリ−トの劣化原因の一つであると判定し、さらに今後も同反応による劣化があると予測することになる。しかしながら、これまでのところ、残存膨張量に関する充分な検討はなされておらず、上記の判定基準を定めるまでには至っていない。アルカリ骨材反応の疑いのある既存コンクリート構造物に対して適確な診断を行っていくためには、是非ともこの点についての検討が必要であろう。当試験所では、この残存膨張量試験が一般的に3ヶ月〜6ヶ月もの長期間を要する点を改善し、早期に試験が完了し、硬化コンクリートのアルカリ骨材反応性が適切に判定できる試験方法(「硬化コンGBRC促進法」)を開発したいと考えている。本報告は、同試験法開発のための予備実験として実施した、モルタルバーならびにコンクリートバーの長期長さ変化終了後の煮沸試験の結果を述べたものである。 まとめ 硬化コンGBRC促進法を開発するための予備実験として行った本実験の主な結果をまとめると、下記のとおりである。1)コンクリート供試体の場合、煮沸による膨張率は、経験最大膨張率0.1%以下では、同膨張率が大きくなるほど増大し、0.1%以上でほぼ一定(0.07%程度)となる傾向を示す。2)上記の傾向は、煮沸直前に至るまでの膨張-材令曲線の形状には影響されない。3)モルタル供試体の場合には、コンクリート供試体の場合に比べ、煮沸による膨張率が小さく、上記の傾向は明らかでない。以上今回実施した予備的実験の結果、若干ではあるが、硬化コンクリートのアルカリ骨材反応性を早期に判定する試験方法を開発するために、有益ないくつかの知見が得られた。今後さらに検討を続け、「硬化コンGBRC促進法」を確立したいと考えている。 |
PDFファイル名 | 010-02-1127.pdf |