種別 報告
主題 アルカリ骨材反応試験における添加アルカリの種類に関する検討
副題
筆頭著者 阿部 道彦(建設省)
連名者1 友沢 史紀(東京大学)
連名者2 田村 公一(佐藤工業中央研究所)
連名者3 真野 孝次(建材試験センター)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 739
末尾ページ 744
年度 1988
要旨 はじめに
アルカリ骨材反応試験を行うときには、セメントのアルカリ量の調整のためモルタルやコンクールにアルカリを添加することが多く、低アルカリのセメントを使用した場合などには、通常添加アルカリ量がセメントのアルカリ量を上回る。このため、添加アルカリの種類によっては、コンクリートの物性に悪影響を与えることが考えられる。表1は、昨年までの当論文集に発表されたアルカリ骨材反応に関するモルタルまたはコンクリートを使用した実験をその目的と添加アルカリの種類により整理したものである。これによると、骨材の反応性を検討する実験ではNaOHを添加することが多いが、補修や部材の実験ではNaClを添加する場合が多くなっており、実験の目的により添加アルカリの種類に明確な差が認められる。添加アルカリの種類が骨材の反応性に及ぼす影響についてはいくつかの実験が報告されているが、アルカリ骨材反応を生じたコンクリートの補修や部材耐力に関する検討を行う場合には、添加アルカリがコンクリートの物性を変化させていないことを確認しておくことが必要である。本報告は、これまで筆者らが行ってきたアルカリ骨材反応に関する一連の実験において、添加アルカリの種類や量がコンクリートの特性に及ぼす影響について得られた結果を取りまとめたものである。
まとめ
アルカリ骨材反応に関して筆者らの行ってきた実験から、添加アルカリの種類および量が、モルタルやコンクリートの基礎的性状に及ぼす影響について検討した結果は次のようにまとめられる。(1)Na2CO3の添加はモルタルの流動性を著しく低下させる。NaOHの添加もモルタルやコンクリートの流動性を低下させるが、通常の添加量の範囲(セメントに対して2%程度までの添加)ではあまり影響はない。(2) NaOHの添加はコンクリートの空気量を増加させるが、通常の添加量の範囲では無視できる。(3) NaOHの添加はコンクリートの圧縮強度を低下させる。NaClまたはNaNO2を添加した場合には強度低下はほとんどないか比較的小さい。(4) NaOHの添加はコンクリートの乾燥収縮率を減少させる。NaClまたはNaNO2を添加した場合には、乾燥収縮率の減少はほとんどない。これより、 NaOHの過剰添加はコンクリートの基礎的性状に影響を及ぼすことが判明した。このため、アルカリを添加する場合には、試験の目的を考慮して添加するアルカリの種類と量を決める必要があると考えられる。
PDFファイル名 010-02-1132.pdf


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