種別 | 報告 |
主題 | ∪形断面をしたPRC小梁の載荷実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 山田 宏至(富士ピー・エス・コンクリート) |
連名者1 | 小森 清司(長崎大学) |
連名者2 | 松原 正安(大成建設) |
連名者3 | 田中 恭哉(富士ピー・エス・コンクリート) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 3 |
先頭ページ | 29 |
末尾ページ | 32 |
年度 | 1988 |
要旨 | はじめに 今日の高度情報化の進展には目をみはるものがあり、建築の分野においてもインテリジェントビルと呼ばれる高度情報化機能を持つビルの建設に関心が集まっている。 一般的にこのような機能を建物に取込む場合二重床とし配線・配管用のスペースを設けることが多いが、そのため階高が高くなり、それだけ層数や建築容量の減少をきたし経済的リスクが大きくなる。そこで考え出されたのが、U形床板とU形小梁からなる床システムである(図1)。この工法は施工の容易さと工期の短縮及びひびわれ防止のため、プレストレスを導入したU形のプレキャスト床板とそれを支持するU形のPRC小梁との組合せで構成され、しかも配線・配管のスペースが床板内のU形の空洞で処理され、その空洞が床坂から小梁まで連続しているため非常に便利であり、さらに床板表面のどこからでも、配線が自在に取り出せる特徴を兼ね備えている。本報告はこのうちU形断面をしたPRC小梁の単体と合成体に対して載荷実験を行い、耐力、変形性状および破壊性状を調査し、あわせて実用化への可能性を検討したものである。 結び 今回の実験の結果より次のことがわかった。1)荷重〜たわみ関係より、両試験体とも靱性のある曲げ性状を示しPC鋼より線の降伏後、上縁コンクリートの圧壊で終局に至った。2)UB-1のひびわれ発生荷重は、施工荷重の約2倍、UBCS-1のひびわれ発生荷重は積載荷重の約2.3倍となり十分な余裕がある。また、ひびわれ発生荷重は、PRC指針に基づく計算式で推定できる。3)UB-1及びUBCS-1の最大耐力は、それぞれ54.7、82.6tと大きく、前者においては施工荷重の4.3倍、後者においては積載荷重の4.2倍となり十分な余力を持っている。4)歪度分布状況より平面保持の法則が成立しており、全断面有効と考えられる。また、UBCS-1については、現場打ちコンクリート板部もT梁の協力幅として有効に働くものと考えられる。以上より、U形小梁単体及びU形合成小梁共ひびわれ発生荷重が、前者は施工荷重に、後者は積載荷重に対してそれぞれ2倍以上の余裕を保存しており、U形断面をしたPRC床板を支えるU型小梁として十分実用に供し得ることがわかった。 |
PDFファイル名 | 010-02-2006.pdf |