種別 報告
主題 繊維補強コンクリートを用いた軽量防音壁の破壊性状に関する研究
副題
筆頭著者 松本 信之(鉄道総合技術研究所)
連名者1 斉藤 啓一(鉄道総合技術研究所)
連名者2 宮本 征夫(鉄道総合技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 135
末尾ページ 138
年度 1988
要旨 まえがき
鉄筋高架橋に用いられている防音壁は、使用する材料と施工方法により、場所打ちRC高欄、ブロック高欄、二次製品としてのPC板やGRCパネル、および鋼製支柱等で支えられた石綿スレート形式板等の形式に分けることができる。また、構造形式としては単に鉛直状のみでなく防音効果を高めることを目的として逆L型やラムダ型等のものが用いられている。音源対策としての防音壁の効果を評価する一つの指標として透過損失が用いられるが、これは概ね使用材料の密度に比例し、現在の各種の騒音規制値を満足するのに最低限必要な重量は、高さ2m程度の一般の防音壁の場合単位長さあたり50kg/m程度であると言われている。一方、上記に挙げた高欄のうち、場所打ちRC高欄やブロック高欄の場合では、単位長さあたり800kg/mもの重量となる。このため、高欄の重量を防音効果を低下させることなく低減することは、新たに高架橋を建設する場合に経済的な設計が行なえるばかりでなく、既設の高架橋においても車両の走行速度の向上をする場合に構造物に加える負担を軽減できる可能性がある。本報告は、鉄道高架橋の防音壁を単位長さあたり100kg/m程度に低減した場合に必要な構造を想定し、設計のための資料を得るためにガラス(GF)、ビニロン(VF)、及びアラミド(A F)の3種類の繊維補強コンクリートを用いた模擬防音壁の載荷試験を行ったので報告するものである。
まとめ
ガラス繊維(GF)、ビニロン繊維(VF)、及びアラミド繊維(AF)を用いた図-1に示す軽量防音壁の模擬供試体の試験により得られた主な結果は、以下のとおりである。(1)載荷方向が正方向の場合、使用繊維の種類に関係なく負方向に比べて一様に耐力の低下が認められ、防音壁の設計については正方向側が引張となる場合で検討しなければならないと考えられる。(2)載荷方向が正方向の場合、使用繊維により各供試体の耐力には差異を生じたが、破壊パターンはすべて基礎部分のせん断型の破壊となった。しかしながら、最大耐力後の挙動はじん性に富むものであった。(3)載荷方向が負方向の場合、使用繊維の違いによる最大耐力及び荷重-変位曲線の大きな差違は見られないようである。以上、本試験によって得られた結果を述べたが、載荷方向、使用繊維及び供試体の引張部と基礎部の形状と破壊パターンの違いについてさらに検討してゆきたいと考えている。
PDFファイル名 010-02-2025.pdf


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