種別 報告
主題 RC構造物の地震損傷評価のための仮動的実験装置
副題
筆頭著者 早川淳一(東京都立大学)
連名者1 長浜 至(フジタ工業イチケン)
連名者2 山崎 淳 (東京都立大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 479
末尾ページ 484
年度 1988
要旨 はじめに
構造物の地震挙動を研究する手法として、構造物の復元力特性を数学的モデルで置換してコンピュータ解析する方法、振動台実験、コンピュータによる解析と加力装置による実験を併用した仮動的実験などが挙げられる。本論文では、著者らが開発中の仮動的実験の特徴を述べる。仮動的実験の手順は、地震挙動を研究する構造物のモデルを作成し、その供試体モデルをバネーマス系の振動モデルに仮定する。一般の振動方程式では仮定された粘性減衰、剛性を使って数値積分法で解いているが、本手法ではある積分時刻における構造物の復元力を取り込み、実験値と振動方程式から次のステップの変位を算出する。算出し目標変位まで加力し、復元力を取り込んで振動方程式を解くという実験と数値解析を繰り返すと、あたかも構造物が実地震動を受けたように時刻歴応答をするというものである。仮動的実験の開発、その信頼性などの研究の流れをみると、伯野ら(1969)が構造物の地震挙動を研究するための新しいタイプの実験を考案し、それは振動台を使わずともリアルタイムに構造物の地震挙動を直接模擬できるものであった。高梨ら(1975)は地震応答程度の速度では応力-歪関係が静的試験によるものとほとんど差がないとしてこの手法を発展させている。睦好、町田(1985)は動的外力を受けるRC部材において載荷速度の違いがRC部材の荷重-変位関係や減衰特性への影響の度合を明らかにしており、同様に北川ら(1984)は変形速度及び応力緩和効果が構造物の復元力特性、粘性係数に与える影響を検討し、中島(1986)が振動台実験と仮動的実験を比較検討し、仮動的実験の有利性、信頼性を検証している。
結論
1)本システムは仮動的実験を初めから終わりまで継続的載荷ではあるが、ステップ数200の入力地震波で約30分の所要時間で自動的に行えるものであり、実験中の人的誤差を取り除くことができた。2)また、本システムにおいて仮動的実験に含まれる誤差、具体的には歯車間のかみ合わせ誤差、強制変位が大きくなると起こる反力壁部の変形による復元力の低下などの加カシステム内の誤差が確認でき、今後改良すべき点を解明することができた。3)このシステムを用いてRC構造物の地震損傷評価を得ることが、他のシステムと比較して経済面で安く実験できる。
PDFファイル名 010-02-2086.pdf


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